〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第65章 お兄ちゃんじゃいられない!❀光秀END❀
「あっ…光秀、さんっ……?!」
「……なんだ、起きたのか、美依」
「な、何やって…んぁあっ……」
くりっと胸先を摘み上げると、美依は寝ている時より、さらに良い声で甲高く啼いた。
せっかく寝ている間に、色々意地悪して楽しもうと思ったのに。
俺がくくっと笑みを漏らしながらそう言うと、美依は必死に躰をよじり、はだけた胸元を両手で覆いながら、こちらをキッと睨んだ。
「ひ、ひどいです、寝てるうちにそんな事するなんて!」
「お前が可愛らしすぎて、堪えられなくなったのだから、仕方ないだろう」
「なっ…!寝ろって言ったのは光秀さんなのに!」
「お前が胸にひっついて、光秀さん大好きなどと言うからだ」
「へ……?」
俺が上から見下ろしながら言うと、美依は一気に頬を赤く染めた。
そして、若干視線を泳がせながら……
しどろもどろといったように、言葉を紡ぐ。
「わ、私、そんな事言ってました……?」
「思いっきり、何度もな」
「そ、それは、失礼しましたっ……」
「何故謝る、言葉は嘘だったのか?」
「ち、違っ……!」
すると美依は下から、若干潤んだ瞳で見上げてきて。
少し唇を噛みながら、恥ずかしそうにする。
……なんだ、この異様なまでの可愛らしさは。
「だって、光秀さんにまだちゃんと伝えてなかったから…」
「俺は兄ではないのだろう?あげてもいいとまで言った、それはつまり好きと言う意味ではないのか」
「すきって言葉は特別なんです。だから、ちゃんと顔を見ながら言わなきゃ駄目なんです」
恥ずかしそうに頬を染める美依。
そのまま、俺の襟元をきゅっと握りしめ……
その薄紅の唇から、最も愛らしい台詞を吐いた。
「大好きです、光秀さん…とってもとっても大好きです。貴方しか見えないくらい…すきです。光秀さんも、私のこと…すきですか?」
(……っっ)
飾り気も何も無い、素直な直球の言葉。
でも、それが一番心に打撃を食らう。
美依、何故お前はそんなに愛らしいんだ?
俺をどこまで溺れさせて……
お前の虜にさせれば、気が済む?