〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第64章 お兄ちゃんじゃいられない!❀秀吉END❀
「美依……」
俺は一回唇を離すと、美依の身体を抱き上げ、膝から畳へと降ろした。
そして、そのまま覆いかぶさり、やんわりと押し倒しながら、一度離した唇を再度塞ぐ。
美依の頭と背中がゆっくり畳に付き……
その小さな身体を包むように、身体に腕を回した。
「んっ…んぅ、んんっ……」
いつしか触れ合うだけの口づけは深くなり、誘い出すように舌先で唇を押し割れば、美依の熱い舌がやんわり絡む。
甘くほろ苦い、酒の味。
美依の舌から感じるそれが、さらに思考を麻痺させた。
(美依…奪っても、いいのか……?)
熱を上げる身体に、淡い期待を持つ。
このまま組み敷き、存分に甘やかしても……
本当の意味で『俺のもの』にしていいのか?
やがて、ちゅっ…と音がして唇が離れると、美依は熱を孕んだ瞳で見上げ、はぁっと吐息を漏らした。
煽情的な眼差し、漏れる吐息は甘い。
まるで毒に冒されるかのように、それはじわじわと身体を蝕み、火照りを加速させる。
「美依……」
「秀吉、さんっ……」
「お前、どうしたい……?」
「えっ……」
「私をあげてもいいってさっき言ったよな?酒に酔った勢いでそんな事を言うなら、もう止める。でも、違うなら……」
そこまで言って、その先の言葉を濁した。
そして、指の背で美依の頬を撫でる。
その滑らかな肌を感じるたびに湧き上がる衝動を抑え、ぐっと唇を噛んで美依を見下ろした。
本当だったら、喉から手が出るほど、美依が欲しい。
それでも、酒での過ちにはしたくなかった。
美依が好きだから…大事にしてやりたいと。
どうしても、それが拭いきれなかった。
「秀吉さん……」
すると、美依は頬を撫でる俺の手を、その小さな手でそっと握り。
必死に俺を見上げながら……
その濡れた唇から、俺の問いの『答え』を紡いだ。
「秀吉さんになら、私…いいの、何をされても。熱いの、身体が…秀吉さんを、欲しいって言ってるの…お願い、私は、秀吉さんの妹じゃないよ……?」