〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第63章 お兄ちゃんじゃいられない!〖共通〗❀秀吉VS光秀❀
「美依、ほら、こっちも食え」
「ふふっ、秀吉さんありがとう〜」
「美依、この酒は本当に飲みやすいな、美味い」
「評判の良いお酒なんですよ、光秀さん。もっと飲みましょ~、はいぐぐーっと!」
注げばパカパカと飲み、料理を差し出せば嬉しそうに食べる。
そんな美依が可愛い可愛いと思い、どんどん酒を進め、酌み交わしていく内に……
酒に弱い美依は、すっかりほろ酔いになってしまい。
ふわふわと笑いながら、心の本音をダダ漏れさせ始めた。
「私はぁ〜やっぱり守ってくれる、かっこいーひとが好きれふ!」
「美依は強い男が好きなのか?」
「ほう、具体的にもっと聞きたいものだな、その話を」
「かっこよくてー頼りになってー優しくてー…そんなひとは、やっぱり憧れますよね、ふふっ」
酒を煽り、ぷはっと息をつく美依。
頬は林檎のように赤くなり、瞳は潤んで、桜色の唇は濡れて妖しく艶やかに光り……
その蕩けたような色っぽい表情に、何も感じない二人ではない。
酔っ払った女は、ほぼ無抵抗だ。
最初はそれを狙ってきたと言っても、嘘はない。
だから、ますます酔わせたくなり……
秀吉と光秀は、さらに美依に酒を促していく。
「美味いなら、もっと飲め。今日は無礼講だぞ」
「ありがとう〜秀吉さん…優しい〜……」
「美依は酔うと可愛らしいな。そのように無防備な姿を晒すと、取って喰われるぞ?」
「ん〜…喰われ、る?」
すると、美依は一瞬キョトンと目を瞬かせ。
やがて、ふにゃっと笑って、その愛らしい唇から爆弾発言をした。
「今…人肌恋しいから…それもありかなぁ……」
「え……?」
「は……?」
その言葉に目を見開いたのは、秀吉と光秀だ。
『人肌恋しい』『喰われるのもあり』
それが、どういう意味を意図しているのか。
単に酔ってるだけの、戯れ言なのか。
それとも…それはどちらかを心に想っていると言う、美依の隠された本音なのか。
二人は一回視線を合わせると、その真意を聞き出そうと、ずいっと美依の顔を覗き込んだ。