〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第62章 狂華-kuruibana-《後編》❀伊達政宗❀
「やっぁあぁぁっ!政、宗ぇっ…………!」
────それから、幾度となく躰を犯し
美依は見事に意識を飛ばした。
俺の熱を咥え込んだまま。
それを見て、俺は紐を解き、美依を部屋に運んで一緒に眠った。
その柔らかな寝顔をみていたら、嫉妬心は嘘のように消えていき……
美依の言い訳も聞いてやろう、そんな気になった。
しかし──……
その『言い訳』こそが、この狂った行為を後悔させる。
何故、美依の身体は火照っていたのか。
何故、やたら『女』を感じたのか。
理由が解ったのは、美依が目覚め。
その後美依を襲った体調不良の時──……
────…………
「は……?本当なのか、それっ……!」
再び、長雨が降り出した青葉城。
今日は気温も下がり、若干肌寒い。
雨がざあざあと地面を叩く音がする。
そんな中、俺が頓狂な声を上げると……
褥から半身を起こした美依は、若干不服そうにこっくり頷く。
それを見て、空いた口が塞がらない。
こんなに驚いたのは、一体いつぶりだろうか。
「だから、だめって言ったでしょう、私は」
「つまり、身体が熱かったのも……」
「うん」
「全部、お腹に赤ちゃんが居るからだよ」
────美依の話を聞いてみると
妊娠すると体温が上がり……
身体は常に、火照った状態になるのだとか。
そして、美依が押し倒した家臣。
あれは美依が身体に子を宿していたことを、女中から聞いており……
下敷きになったのは咄嗟の判断だったが、美依が踏み台に登っていた事を心配してくれていたらしい。
まぁ…そこから落ちた美依も悪いんだがな。
「なんでそれを早く言わねぇんだよ!」
「聞く耳持たなかったくせに!」
「知ってりゃあんな事……」
そこまで言うと、美依は赤面して俯いた。
まぁ、そうだよな。
庭で木に縛られた上に、意識までぶっ飛んだんだから。
(本当になんて事したんだ、俺)
自分の阿呆さ加減に呆れるしかない。
思わずうなだれ、俺は大きなため息をついた。