〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第6章 境界線のジレンマ《後編》❀徳川家康❀
「美依に嫌われてなくて、良かった」
「嫌うわけ無いじゃない」
「じゃあ…好き?」
「うん、好き、大好き」
「……なら、口づけても、いいよね」
美依の頬に手を当て、少し上を向かせて、小さく問う。
すると、美依は恥ずかしいそうに小さく頷いて…
それを確認してすぐさま、美依の唇を奪った。
ちゅっ…ちゅぅ…ちゅぱ…
美依の唇を舌で割り、差し込んで絡め取る。
そして、そのまま美依を、舌先で優しく優しく愛撫していく。
甘い水音と共に、頭が蕩けるような感覚を覚え…
それに比例するように、身体は火照って熱を帯び始める。
「んっっ…はぁ…いえや…んぅ……」
美依の口からは、荒く艶めかしい吐息が漏れ始め。
お互いの身体を擦り合わせるように、絡み合って行けば……
次第にお互いの着物は、前がはだけ始め。
そこから現れる素肌が触れ合って、どんどんそこから熱く溶けていく。
「んっっ…美依……」
もつれ合うように、褥に倒れ込み。
そして、美依の身体を褥に沈めるように、覆いかぶさって体重を掛けた。
美依の小さな身体は、火照って、赤くなって、敏感になって。
一回唇を離し、ちゅっ…と首筋に吸い付いたら、大袈裟なほど身体が跳ね上がった。
「……したい」
「え…?」
「やり直したい、美依との『初めて』。今度はあったかい褥で、もっと甘やかして…トロトロに蕩かしてあげるから」
「家、康……」
「あ…でも今日は具合悪いのか。今度にしようか」
そう言って、身体を起こそうとすると。
美依が『待って!』と首に腕を絡めて、引き寄せてきた。
再度身体は美依に覆いかぶさり、しかもしっかり固定されてしまって。
その行動にびっくりして、首だけ起こして美依の顔を見る。
すると、美依は真っ赤に瞳を潤ませ……
掠れた声で、言葉を紡いだ。
「だ、大丈夫…昨日の事で、身体が怠いだけだから…それに、身体が火照って、熱があるのは、家康がこうやって触れるせいなんだから…責任、ちゃんと取って…!」
そのなんとも可愛らしい言い方に、思わずぷっと吹き出してしまった。