• テキストサイズ

〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第56章 〖誕生記念〗二人だけの誕生日《前編》❀織田信長❀




「……確か、その時に約束をしたな……」

「約束?」

「いや、記憶が朧気でな……確か誕生日祝いをしてくれた奴と、何かの約束をして、確か受け取ったものがあった。美依、少し待っていろ、確か文机に……」




すると、信長様は一回私を膝から下ろし、席を立って隣の部屋へと消えた。

元服して間もない頃って言ったら、もう十年以上前の事だよね?
何かを受け取って、まだ文机にしまってあるなんて…

よっぽど大切な方に祝ってもらったんだな、信長様。
そんな風に思えて、思わず頬が緩んだ。

信長様は子供時代は大変だったと聞いているし、それでも誕生日を祝ってくれた人がいた事に、なんだか嬉しくなる。



(よし、明日の信長様のお誕生日も喜んでもらえるように、精一杯がんばろう!)



そう思って、改めて気合いを入れ直した。
その直後。








バリバリ……ドドォォ────ンッッ!!!








「!!」


すごい地響きのような轟音が鳴り、雷がどこかに落ちた音がした。

これにはびっくりして、思わず身体が竦む。
嵐で雷まで鳴ってきたんだ…と、急に怖くなる。

なんだか、タイムスリップしてきた時の嵐や雷に、ちょっと似てるな……

そんな風にさえ思えた。
その瞬間の刹那だった。










────ピシャァァァァっっっ!!











「えっ……?!」







突然、目の前に閃光が走り、周りが真っ白に包まれた。
続いて、目の前がぐにゃり…と歪み始める。




(なに、これっ……!)




一瞬、雷が落ちたのかと思った。
しかし、私は無事だし痛くないし、何より……

この感覚には覚えがあった。

それは、まだ現代にいた頃。
旅行で安土城跡を訪れた私は、雷に打たれ。

そのままタイムスリップをして戦国時代へと来たのだ。

その時も『こう』だった。
周りが真っ白に包まれ、まるで目眩が起きたように、目の前がぐにゃぐにゃと歪んで……




(ま、まさか……!)




再度、なんの前触れもなくワームホールが現れたとでも言うのか?

そして、それは私を飲み込み。
このまま……








────再度現代へと飛ばされてしまうのか?











/ 1230ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp