〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第55章 尋常に勝負!-秘密の恋文-❀家康END❀
「家康じゃなきゃ…だめなんだよ」
「うん……すき、美依。大好き」
「私もだいすき…ねぇ、口づけて?」
すると、美依は首を持ち上げ、そのまま目をつぶった。
なにこれ、言い方とか可愛すぎでしょ。
それに『口づけされるの待ってます』みたいな…
普段の美依より少し積極的な姿勢に、脳みそが沸騰するんじゃないかと思うくらい、湧き上がった。
(本当に、なんでこんなに可愛いんだ……)
俺はクラクラするような目眩に襲われながらも……
美依に誘われるがまま、ゆっくり唇を重ねた。
ちゅっ…ちゅっ……
音を立てて軽く啄み、角度を変えて、今度はもう少し深く。
美依の唇を堪能するように、濡れた舌先で、美依の舌も絡め取った。
甘い水音、周りの暑さも手伝って……
だんだん身体が熱を帯び、美依を抱き締める腕にも力が篭っていく。
「んっ…はぁっ、ぁ……」
美依からは、艶っぽい吐息が漏れ始めてるし。
聞いてるだけで、背筋がぞくぞくして、腰が熱くなって……
想いを交わしたばかりなのに、もう『その先』を求めてしまいそうになる。
(……さすがに、それはちょっと早いよな)
美依を大事にしたい、がっついてると思われたくない。
なら……今日は我慢した方が健全だ。
欲しいと言う気持ちは、高ぶっているけどね。
ちゅっと水音をさせて唇を離すと、美依はさっきより瞳を真っ赤に潤ませ、若干蕩けたような表情になっていた。
しまった、この顔も可愛い。
まだドクンと血液が頭に逆流したが、なんとか冷静さを保ち、熱を帯びた美依の頬を指で撫でた。
「顔、真っ赤」
「ご、ごめっ……」
「謝らなくていいから……じゃ、帰るね」
「え?」
「美依の気持ちが聞けて嬉しかった。想い合えてた事…解って良かった。また来るよ」
最後に仕上げのように、一回唇を啄み、そのまま身体を離して美依に背を向けた。
なんとか堪えられた。
美依を甘やかす時には、きちんと御殿に呼んで、褥を整えて……
そんな風に頭の中で『その日』を思い描いた。
────次の瞬間だった。