〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第54章 尋常に勝負!-秘密の恋文-❀政宗END❀
「────愛してる、美依」
告げた途端。
美依の黒真珠のような大きな瞳が見開かれる。
『好き』なんかじゃ足りない。
『好き』より、もっとえげつなくて、深い。
俺を焦がす感情は、すでに止まらなくなっているから……言わせろよ、美依。
「まさ、むね……」
すると、美依は頬をほのかに染め、小さく頷く。
ああ、可愛い。
むちゃくちゃに可愛い、こいつ。
そう思ったら──……
『欲しい』と言う感情が、一気に溢れ出した。
「んぅっ……!」
俺は美依の顎を指で掬い、そのまま唇を重ねた。
薄く開いた柔らかい唇をこじ開け、そこに乱暴に舌をねじ込み……
逃げようとする美依の舌を絡めとって、蕩かすように口づける。
顎にあった手は、自然と美依の後ろ頭に移動し。
腰を抱く腕にも力を込めて、美依全体を押さえ込んで逃さぬように。
まるで獣が小動物を襲うような、そんな激しい口づけを繰り返した。
「んっ…はぁっまさっ…んんっ……!」
「はぁっ…逃さね……んっ絶対……!」
次第に身体がもつれ合い、俺は美依を襖に追い詰めて、押し付けて。
唇の角度を変えながら、何度も何度も噛み付く。
やがて、美依が立てないといった風に力が抜け、もたれかかってきた所で……
ようやくそこで唇を離してやると、二人の唇の間に、いやらしく透明の糸が引いた。
「はぁっ…はぁっ…まさ、むね……」
「いい感じに顔が蕩けたな、可愛い」
「いきなり口づけたら、びっくりするじゃない…!」
「だって、お前がすげぇ可愛いから…口づけたくなった」
「……っっ」
(あー…その顔、堪んねぇ……)
口づけたせいで、顔をとろんと蕩かし。
真っ赤な瞳と、濡れた唇で見つめてくる美依。
その艶っぽい表情に、濡れた背筋がぞくっとくる。
今まで見たことがない『女』としての顔。
もし、美依が濡れたとしたら、一体どのくらい可愛い表情を見せてくれるのか。
一体どのくらい俺を欲情させ、どれほどの快感をもたらしてくれるのか……
心の中が毒され、男のみっともない欲望が顔を見せ始めた。