〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第54章 尋常に勝負!-秘密の恋文-❀政宗END❀
「なぁ……駄目か?」
「え?」
「この先は、まだ待たなきゃ駄目か?」
「あっ……」
もたれかかっている美依をふわりと一回抱き上げ、畳へと寝かしつける。
そして、上から見下ろしながら、無遠慮に美依の着物の裾をはだけさせた。
姿を現した真っ白な脚は、細くても女らしい肉付きで、柔らかそうで……
その線が、やたら艶めかしく見える。
そのまま撫でるように、そっと太ももに手を這わせると、美依の肌がぴくりと跳ねた。
「んっ……!」
「手、濡れてるから冷たいか?どうせなら……お前も濡れろよ」
「まさ、むねっ…まって……!」
「嫌なら我慢する、お前を大切にしたいからな」
「…っっあ……」
「美依……」
懇願するように、何度も優しく脚を撫であげる。
ぐっしょり濡れた髪から、ぽとりと美依の首筋に雫が落ち……
それをぺろっと舌で掬うと、さらに美依は肌を震わせた。
(随分、敏感だな、ちょっとしか触れてないのに)
感じやすいのか、それとも慣れていないのか。
まるで生娘みたいな反応に、俺は美依の顔を覗き込むと、そのへんの疑問を素直に問いかける。
「もしかして、初めてか……?」
「えっ……」
「男に抱かれた事は?」
「え、えぇと……」
「正直に言え、そこは嘘つく事じゃないからな」
すると、美依は恥ずかしそうに目を逸らし。
『政宗が初めて』と小さく消え入りそうな声で答えた。
それを聞き、思わず頬が緩む。
まだ美依は誰にも穢されていない。
男に愛でられていない、綺麗な躰で。
男の味を知らない……未通女(おとめ)
それならそれで、可愛がり方もある。
美依は俺だけが与える快感だけを、覚えていればいい。
────たっぷり、『俺』を教えてやる
「なら、優しく…痛くないようにだな、美依」
「政、宗……」
「俺を誰だと思ってる、安心して身を委ねろ。褥に移動するぞ、初めてで畳なんかじゃ抱けない」
俺は身を起こし、ひょいと美依を抱き上げる。
慌てて首にまとわりついてきた姿が愛しくて……
俺はそっと、額に優しく口づけを落とした。