〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第53章 尋常に勝負!-秘密の恋文-❀秀吉END❀
「はぁっ…美依、美依っ……!」
「秀吉、さんっ…も、私、だめぇ……!」
「俺も、駄目だっ…出る、もう、出ちまう……!」
「ぁっぁあぁっ!やっ…だめぇ──……っっ!!」
「あっ…そんな締めるなっ…出るっっ………!!」
びゅくっ…!どぴゅっ!びゅくびゅく……!
────躰が、暑い
よくよく考えれば、今は夏で、しかも湯殿で。
美依とは初めてだったのに、
天秤の壊れた俺は、馬鹿みたいに暴走しちまった。
男の欲望は、本当にえげつなくて恐ろしい。
熱の冷めやらぬ俺は、それじゃ足りなくて、
その後美依を、部屋に連れていき……
再度、褥で思いっきり甘やかした。
こんな余裕のない俺、本当にみっともない。
くたっとなった美依を見て、本当に後悔したのだけど。
その後、さらにみっともない姿を見せる羽目になる。
それは、美依をたっぷり甘やかした後。
二人で何気なく酒を酌み交わした時で──……
────…………
「この梅酒、甘くて濃くて本当に美味しいね!」
濃紺の空に、冴え冴えとした満月がすっかり昇った頃。
俺と美依は、その蜂蜜色の月を庭先の縁側で見ながら、女中の持ってきた梅酒で一緒に酒を酌み交わしていた。
今年は梅の出来がいいらしい。
そう言って漬けてくれた梅酒は、まろやかで口当たりが良く、さっぱりとしていても濃い甘みがあって……
美依も本当に気に入ったらしく、ほんのり頬を染めながらも、飲む手を止めない。
俺も俺でその飲み口の良い酒に、ついパカパカと飲み進めてしまい……
だんだん頭の中が霞みがかって、ぽーっと始める。
(なんか、ふわふわしてきたな……)
俺は酒は好きだが、あまり強くないと思う。
おまけに、酔うと心の本音を延々と語りだすと。
光秀あたりに、いいようにからかわれた時もあった。
でも……
酒は、ひた隠しにしている心の蓋を、あっさりとこじ開けてしまう。
おまけに美依を見ていたら。
なんだか、急に素直になりたくなって……
俺は隣に居る美依の肩を抱くと、ぽつりと心の声をもらした。