〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第53章 尋常に勝負!-秘密の恋文-❀秀吉END❀
「文、読んだぞ」
「し、知ってるよ……」
「だから、美依に逢いに行こうとしてた……俺も、同じ気持ちだから」
「んっ……」
髪が結い上げられて剥き出しになってるうなじに、思わず唇を寄せると。
美依が、なんだか可愛い息を漏らした。
しまった、崩れる。
俺が崩れる音がする。
鼓動が高鳴りすぎて、痛い。
美依に触れている肌も、過敏になって。
もっと、その温かさを感じたいと……
必死で築き上げた『大人の兄貴』が、ボロボロと醜いまでに崩れていく。
「好きだ、美依。お前の事、好きだ……」
「秀吉、さんっ……」
「……全部、俺のものにしていいか」
「ちょっと、あっ……!」
「もっと、見たい……」
衿に手を掛け、開くように着物を引っ張って。
緩んだ襟元から手を差し込み、肩を撫でた。
着物が滑って、剥き出しになる片方の肩。
そこに、背後から噛み付くように唇を押し当てる。
瞬間、ふわりと甘い匂いが鼻をくすぐって……
崩れた所から顔を見せた、男としての欲望が、さらに煽られ見る間に膨れ上がっていく。
「ちょっと、秀吉、さ……」
「堪んねぇ…色々、美依……」
「ま、待って、秀吉さん、順番が違う……!」
「え?」
美依の言葉に、思わず肩を這う唇が止まった。
順番が違うって……なんだ?
すると、美依は身体をよじって、俺に真正面で向き合い……
俺の人差し指を、自分の唇に押し当てる。
「口づけは、まず、ここっ……!」
「……」
「身体より、唇が先でしょ……?!順番間違えちゃ、だめっ…」
(……っっ、なんだ、この可愛い生き物は……)
顔を真っ赤に火照らせ、一生懸命抗議する美依。
はだけた胸元がやたら色っぽくて、なのに、穢れていない純朴さが伝わって。
ふにっと柔らかい唇の感触が、また身体を熱くさせた。
確かに、最初に奪うのは『そこ』だな。
それから……たくさん、色んな場所を。
一つずつ、俺のものにしてやる。
「うん、そうだな……悪い」
俺は美依の背中と膝裏に手を当て、ひょいと美依を横抱きにする。
そして林檎みたいな顔を覗きながら……
改めて、想いを赤裸々に伝えた。