〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第52章 尋常に勝負!-秘密の恋文-〖共通〗❀秀吉VS政宗VS家康❀
「俺がお前達の勝負に、決着をつけてやろう」
すると、秀吉、政宗、家康はそれぞれに顔を見合わせ……
やがて、秀吉が疑うように目を細め、光秀を見た。
「何企んでるんだ、光秀」
「何も企んでなどいないぞ、秀吉。ただ、無意味な争いを続けるより、きっぱり決着をつけた方が良いと思ってな。俺にいい案がある」
「お前の案なんか、信用出来るか」
「なら、美依は俺が貰うとしよう。今ちょうど御殿へ向かったし、俺も帰って美依を組み敷けばいい」
「なっ……!」
その光秀の言葉に反応したのは、政宗だ。
ギロっと蒼い目で光秀を睨みつけ、そして……
今にも刀を抜こうと、柄に手を掛ける。
「させねぇぞ、光秀。美依は俺のもんだ」
「政宗、なら俺の提案に乗れ。本当に美依を自分のものにしたくばな」
「……解った、乗ってやる」
「光秀さん、俺もやります。誰にも美依を渡せないから…決着をつける」
政宗に続いて、家康も光秀に申し出た。
その翡翠の瞳に、野心の炎を燃やし……
絶対に美依は渡しません、と付け加える。
「お前はどうする、秀吉。俺と家康だけでもいいんだぞ?その代わり、口だしするなよ?」
「……っっ、解った、俺もやる。美依を渡せるか」
政宗に言われ、秀吉も渋々承知した。
三人が承知した所で、光秀は政宗を刀の柄から手を離させ。
三人を見渡して、不敵に笑んだ。
「折角の甘酸っぱい恋と言うものなら、皆で青春の汗というものをかくのはどうだ」
「と、言うと?」
「三日後の昼、城下外れにある川の土手に集合だ。一本松が目印の場所に来い。そこで勝負のやり方を説明してやる」
「青春の汗をかく勝負か?」
「……すでに、嫌な予感するんですけど」
家康が、そうボソッと漏らしても、光秀は相変わらずの笑みを浮かべたままだ。
こうして……
光秀発案の元、美依を賭けた『青春の汗をかく三人の勝負』が行われることとなった。
勿論、光秀が考えた勝負方法故に、ただで済む訳がない。
それでも、絶対に負けられない。
三人の戦の火蓋が、切って落とされようとしていた──……
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