〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第52章 尋常に勝負!-秘密の恋文-〖共通〗❀秀吉VS政宗VS家康❀
「やれやれ……本当に仲が良いな、お前達」
白熱した、スイカの種飛ばし勝負が行われている最中。
そこに、ふらりと光秀が現れた。
光秀は手に何やら書物と文を抱え……
いつものように腹の見えない笑いを浮かべながら、四人に近づいた。
「あ、光秀さん!どうしたんですか?」
「美依、政宗に書簡と文を届けに来た。俺が一人御役目に励んでいる時に、スイカの種飛ばしか、お前達」
「ああ、光秀、ご苦労だったな」
「政宗、御殿に来ているのは美依だけではなかったのだな」
「うるさい、美依を政宗と二人きりにさせられるか!」
「今、美依のご褒美を賭けて、真剣勝負なんで」
「秀吉、家康、相変わらずだな、お前達も」
くっくっくっと苦笑しながら、縁側に座る光秀。
そして、また種飛ばしを始めた秀吉達を見て、意地悪く目を細めた。
小娘のご褒美、それは夜の褥か?
純朴な見た目とは裏腹、末恐ろしい小娘だ。
光秀はそんな事を思って美依を見るが…
腑抜けた笑みを浮かべる美依が、そこまで考えてはいないと、一発で解った。
こんな小娘を取り合って、三人も良くやる。
仕方ない、俺が決着が付くように取り計らってやろう。
そう思い、思案を巡らせ……
やがて光秀は、美依に向けて困ったような口を開いた。
「しまった、政宗宛の文を一通、御殿に忘れてきたようだ」
「え、それは大変じゃないですか、光秀さん」
「美依、悪いが取りに行ってはくれないだろうか」
「いいですよ、行ってきます」
「礼は弾む、俺の部屋の文机の上にあるからな」
「解りました、行ってきますね!」
光秀の思惑など知らず、美依はにこっと笑って立ち上がると。
『秀吉さん、政宗、家康、ちょっと行ってくるね』と、律儀に三人に声をかけ。光秀の御殿に小走りで走っていった。
そんなやり取りが行なわれたとは知らずに、勝負に熱中していた三人。
やがて美依が居ないことに気が付き『ご褒美は?!』と脱力したが……
光秀はそんな様子の三人を見て、ニヤリと笑うと。
ある『提案』を、秀吉達に持ちかけた。