〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第51章 花時雨と恋情のアイロニー《後編》❀石田三成❀
ぐちゅっ…じゅぷっじゅぷっ……ぐちゅんっ!
パンパンっ…ぱちゅんっぱちゅっ…パンパン……
「ぁっぁあぁぁ!三成、君っ…やっぁあぁ…!」
「美依っ…ぁっ、もっと…私を呼んで……!」
「みつ、なり、君っ…みつっ、ぁあぁぁっ!」
「はぁっ…イイ、イイっ…もう、だめですっ……!」
びゅくっ……!どびゅぅぅっ……!
────いつしか、望月が煌めいて
二人の月影は、昼間よりくっきり障子に映っていた
それはまるで、ただの獣のようだったけど
心には、貴女への愛で、満ち溢れているから
これからも、貴女を抱き締めていける
傷ついたなら、温もりを分け合いましょう?
そうして、私達は生きていく
傷つき、穢されたとしても……
また真っ新な私になって、貴女の為に腕を広げる。
────…………
「三成、美依……」
蒼玉の瞳が、びっくりしたように見開かれる。
意表を突かれたといった政宗様の表情を見ながら……
私は、口元に笑みを浮かべた。
────あれから、数日後
政宗様の突然の決断に驚き、私は美依様を誘い、政宗様の御殿を訪れた。
政宗様が、奥州に帰ると。
それを知った私は、政宗様に会いに行きましょうと。
すぐに、美依様を誘い出した。
あのまま、二人ともすれ違ったままではいけないと思ったからだ。
もちろん。美依様は最初は行かないといったけれど……
それでも、あんな事があったとしたって。
政宗様と美依様が、それまでとても仲が良かったのは知っているから。
────それが綺麗事だとは解っているけれど
「なんで、会いに来たんだ?」
「……」
「……顔も見たくないんだろ?」
「……政宗が、奥州に帰るって、三成君が……」
「ああ、まあな。元々俺の国はそっちだし、安土も今は平和だしな。少し骨休めもいいだろ」
なんの変わりもなく、政宗様は私達に茶を淹れながら微笑む。
それを見て、私は直感的に感じた。
政宗様は、『あの夜』を後悔していないことを。
それは、私にとっては許せない事だけれど。
それでも……それが政宗様の『想い』なのだと。
それを思うと、何も言えなかった。