〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第51章 花時雨と恋情のアイロニー《後編》❀石田三成❀
「私は貴女を責めてはいませんよ、自分は許せませんが」
「え……?」
「解っていたんです。私に抱かれた後の貴女が、すごく綺麗なこと…その姿を他の男に見せた、自分が許せないんです」
「それはっ……!」
「しー……黙って聞いて」
私は人差し指を美依様の唇に押し当てる。
私の気持ちを聞いてください。
貴女に全てを話しますから。
醜い部分も、みっともない部分も全部──……
「駄目ですね、政宗様に馬鹿みたいに嫉妬して。確かに奪われた事は許せません…けど、貴女を取り返すなら、それは無理やり抱く事じゃない」
「三成君……」
「きっと…貴女に愛していますと、心から伝える事なんです。醜い独占欲をぶつけるだけではなく、こうして…優しく包み込む事なんです」
「……っっ」
「だって、貴女はすでに…私の色に染まりきってるはずですからね?」
少し悪戯っぽく言うと、美依様は大きく首を縦に振った。
そして、ぎゅっと身体に腕を回してくる。
温かい……美依様は、こんなに。
そして、身体は奪われても……
心は奪われることなく、まだ私のものだ。
だから、何も怖がることはない。
「私は、三成君以外には染まってないよ…これからも染まらないよ、なにがあっても」
「はい、そうですね。嫉妬するのはやめます」
「……だいすきだよ」
「はい……私も、愛しています、美依」
「なら……」
『抱き締めるだけじゃなく、きちんと貴方の熱も感じたい。繋がりたい……三成君と』
────二人で溶け合う、悦びを
火照って、火照らされて
果てて、注いで、また果てて
心も、躰も
とろとろに蕩け合い、混ざり合う
それは、貴女が教えてくれた幸せだった
すでに虜になって、手放せなくなるくらい
貴女に溺れて、しょうもない男を
貴女は優しい笑顔で『すき』だと言った
私は本当に馬鹿みたいですね?
いくら貴女を自分のものにしても足らないから
だから、際限なく求めてしまうのでしょう
そんな男と恋仲になったのだから
それなりに覚悟をしてくださいね?
私は嫉妬深い男ですから、
奪われたら、もっと取り返したくなるんです