〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第51章 花時雨と恋情のアイロニー《後編》❀石田三成❀
「貴女を取り返します、奪われた時よりもっと……貴女を私の色に染めてさしあげます」
私がそう言うと、美依様は泣き顔で、小さく頷いた。
それを確認し、美依様に覆いかぶさって、全てを暴いていく。
儚く漏れる、甘い声。
それすらも一回は奪われたと思ったら、心の奥が焼け付くように痛かった。
『貴女は、永遠に私のものです、美依様──……』
それを何度も何度も言い聞かせ。
そして、障子に二人が重なる影を映していった。
────…………
────ゆらり、揺らめく心の中
奪われた悲しみよりも、もっと強く渦巻くのは
皮肉にも、貴女を自分色に染め上げたい欲求だった
もっと強く
もっと色濃く
私に染まって、美依様
溺れて溺れて、どうしようもなくなるくらい
私だけに、感じて
「んっ…はぁっ…ぁっあっ……」
ちゅっ…ちゅぅっ…ちゅっ……
部屋に響くのは、美依様の背中を啄む儚い水音。
真っ白な肌に咲いている華、一つ一つに口づけ、上書きし。
そして、また新たに、自分だけの華を咲かせる。
余すところのないように、隅々まで……
唇で肌をたどって、触れられた部分を消毒していく。
「こんなにたくさん痕をつけられて…私だけの肌なのに」
「あっ…三成、くんっ……」
「全て私のものに上書きしましょうね、貴女にこのような痕をつけていいのは……私だけですから」
肩、肩甲骨、それから背骨に沿って。
順番に上から降りて、丁寧に丁寧に。
たっぷり時間をかけて、全ての痕に唇で強く吸い付く。
背中が終わったなら、今度は躰を転がし……
鎖骨、胸の膨らみ、腹。
躰の前面の痕を、同じように一つずつ上から重ねていく。
と、戯れに薄桃色に尖った胸を指で弄ると。
美依様は背中を逸らし、また甘く息を吐いた。
「ここも…触れられたのでしょうね、きっと」
「んんっ…あ……」
「こんなに可愛いここ…私以外の前で尖らせては駄目ですよ?」
主張するそれを、クニクニ擦りながら美依様に問う。
表情を見れば、しっかり感じている顔で……
こんな表情も見られたのかと思ったら、またどす黒い感情が渦巻いた。