〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第5章 境界線のジレンマ《前編》❀徳川家康❀
「家康……?」
「……う、して…………」
「え?」
「どうして…そうやって、俺を煽るの……?」
「え、何言って………ぁっ!」
その乱れた胸元から見える細い鎖骨に、かぷりと噛みつく。
すると、美依は今まで聞いたこともないような、焦がれた声を上げた。
噛みつきながら、その肌に舌を這わせれば。
美依の甘い匂いと、甘い味を感じ、全身の毛がぞわっと逆立つ。
求めていた、美依の身体。
ずっとずっと欲しくて。
欲しくて欲しくて、焦がれていたもの。
それが今、目の前にある。
手が届く所にある。
────奪うなら、今だ
「家康っ…ちょっと……!」
「美依がいけないんだよ、俺を無自覚に煽るから」
「いえや……っっんぁっ……!」
「イイ声だね、すごい唆られる……もっと聞かせて、美依の声。可愛く可愛く、俺を欲しがってみせて」
ぐいっと手を頭の上に持ってこさせ、その細い手首を頭の上で、右手一本で固定する。
空いた手で襦袢の裾を無遠慮にはだけさせ、そのままその太ももを撫で上げた。
吸い付くような、美依の肌の感触。
滑らかで、荒れた所など一つもない、その肌を。
何度も何度も撫で上げ、手を往復させる。
そして、襟元を口で咥えて、横に開けば。
容易く、その白くて柔らかそうな胸が姿を現し。
その薄桃色の胸の先を見るだけで。
腰がぞくっと疼いて、加熱していく。
「綺麗な肌だね、美依。絹みたいだ」
「家康、待って……!」
「待たない、それに待てない。美依が欲しすぎて……もう、止まれない」
「ぁあっ……!」
唇で、その胸先を咥え、舌で転がす。
そのたびに、美依は甘く濡れた声で啼いて。
そして、身体は赤く染まっていく。
湿り気を帯びたその肌は、だんだんと熱を上げ……
火照って、美依が次第に崩れゆくその様が、綺麗で、いやらしくて。
だんだんと黒い『雄の自分』が侵食していく。
美依を淫らに乱れさせたい。
この手で、感じさせて、濡らして。
そして、その奥底まで愛して愛して、貫いて……
暴走を始めた情欲は止まってはくれない。
そう、その欲を吐き出す、その瞬間まで。