〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第51章 花時雨と恋情のアイロニー《後編》❀石田三成❀
「ごめん、なさいっ……」
「貴女が謝ることは、何もないでしょう」
「違うの、ごめんなさい、ごめんなさい、三成く…」
「美依様……?」
すると、美依様は自分の身体に手を回し。
途切れ途切れに、掠れた声で……
『ごめんなさい』の意味を、話してくれた。
「私、政宗に、犯されたのに、感じていたの……」
「え……?」
「三成君以外に触れられるの、嫌だって思っているのに、身体が勝手に反応して、火照って……政宗の手で感じて、私…みっともなく啼いてしまった、こんな風に声が掠れるまで」
「……」
「もう、私…三成君に愛される資格ないよ……」
(美依様……)
そのうずくまる、小さな身体は痛々しく。
美依様は政宗様に怒っている訳ではなく、自分に呆れているんだと。
そんな感情が、赤裸々に伝わってきた。
何故、そんな風に自分を責めるのですか?
貴女は……決して、愚かではないのに。
「……そんな事は、ありませんよ」
私は美依様に身体を寄せ。
そして、その華奢な肩を片腕で抱きすくめた。
小刻みに震える身体は、こんなにも温かい。
そうか、政宗様もきっと……
この温かさに魅せられた一人なのだ。
「貴女は私のたった一人の女性です、これからもずっと」
「なんでそんなに優しいの……?」
「優しくするのに、理由がいるのですか?」
「怒ってないの……?」
「怒っていますよ、たった一度でも…貴女を政宗様に奪われたのですから。なら、立てる策はたった一つです」
私は美依様から身体を離すと、美依様の褥の下の方に移動し、掛けてある毛布を剥ぎ取る。
そして、縮こまっている美依様の片脚を、そっと掬い上げた。
小さく華奢な脚の甲を、親指で撫で……
美依様の顔を見ながら、私の考えた『策』を教えた。
「奪われたなら、取り返すまでです。たっぷり時間をかけて、思い出させてさしあげます。貴女が、私のものだという事を、そして……私しか感じない躰にしてさしあげます。もう、貴女の躰が、私しか受け入れないように」