〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第50章 花時雨と恋情のアイロニー《前編》❀石田三成❀
「嫌ぁっ…政宗、離してっ…やだ……!」
政宗は私を自室へと運び、そのまま褥に組み敷いた。
私の叫ぶ声なんて、聞く耳を持たない。
私を押さえつけながら、しゅるしゅると帯を解いていき……
前がはだけると、すぐに獣のように噛み付いてきた。
「あっ……!」
「いーい声、嫌がってる割には、身体熱くなってきてるし」
「政宗、やめてっ……!」
「嫌だ、三成じゃなく…俺の手で感じて啼け、美依」
「……っっあ!」
胸の先にちゅうっと吸いつかれ、私は思わず息を荒らげて仰け反った。
そんな事をしてる間に、手首は一つで束ねられ、頭の上で固定されてしまい……
束ねた手首を片手で器用に固めながら、政宗はもう片手で、吸い付いたのとは反対の胸を包み込んだ。
そして、やわやわと揉みながら、胸先を摘んでクニクニと擦りつける。
「あっ…ぁあっ…やめて、やだっ……!」
三成君とは違う触れ方。
手の感触も、力加減も、全然違う。
もっと荒々しくて…雄の本能のままに私を乱してくる。
感じたくないのに。
三成君以外には、こんな風にされたくないのに。
なのに、政宗の巧みな指が、唇が、私をどんどん熱くさせて。
もう何も考えられないくらいに……
思考回路まで蕩けて、瞳に涙の膜が張る。
「ああ…蕩けたイイ顔になってきた」
「まさ、むねっ……」
「どうだ、三成より気持ちいいだろ?あの襖の奥で…三成に啼かされてた時より、イイ声になってる」
「え…襖の、奥……」
政宗の言葉に、鈍い頭を巡らせる。
でも巡らせなくても、意味なんてすぐに解った。
今日、あの部屋で三成君に愛された。
確かに、襖がぴったりと閉まっていて。
襖を隔てて向こう側なんて、気にしていなかった。
「政宗、まさか……」
「……随分、お盛んだったな、二人とも」
────知られていた
『艶っぽい顔してんな』なんて、白々しく言って
本当は、政宗は全て知っていたんだ
私が、三成君に愛された直後だということを
なのに、政宗は……
こうして私を犯すんだ
私が三成君のものだと知っているくせに
『無防備な姿を晒した』私のせいだと
────その濡れた欲望を、向けるんだ