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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第50章 花時雨と恋情のアイロニー《前編》❀石田三成❀




「なんか顔、火照ってないか?」

「え、そんな事ないよ。濡れて冷えてるくらいだよ」

「そーゆーんじゃなくて、なんか……」

「うん?」

「なんか、変に艶っぽい顔してんなと思って」

「へ?!」




そう言われ、思わずパッと手を頬に当てる。

なんで政宗ってこう鋭いんだろう。
だって、ついさっきまで三成君に愛されていたから……

まさか、その名残が顔に出てる?



(でも、そんな変な顔してないよね……?)



思わず、あせあせと焦りながら政宗を見る。
すると、政宗は何故だか、はぁっと大きくため息をついて。

私から手ぬぐいを取り上げると、代わりにぽんぽんと頭を拭いてくれた。




「お前、ほんっとーに天然って言うか……」

「え?」

「あんまり男に無防備な姿を晒すな、こーゆー濡れた姿もそうだからな」

「あ、ご、ごめんなさい……」




首に手ぬぐいを掛けられ、その端で頬を拭われる。
その優しい手つきに、不本意ながらも、ドキリとした。

政宗もなんだかんだ優しい、面倒見もいいし……

そんな風に思って見つめると、政宗は私を拭きながら、視線を合わせてきて。
ぽつりと、低く小さな声で呟いた。




「なんで、お前は三成なんだ?」

「え?」

「三成のどこが好きなんだよ」

「へ?!え、えぇと……」




いきなり問われて、顔が熱を帯びたのが解った。
三成君のどこが好きなんだなんて、いきなり言われても……

もちろん優しい所や、たまに男らしくなる所や。
私を求めてくれる時の、色っぽくて意外に野性的な所も。

……みんな大好きだから、困る



(……って、私、なに真面目に考えてるんだろ……!)



思わず首をぶんぶんと振ると、頭の上から小さくため息が聞こえ。
私が答える前に、政宗が口を開いた。




「もういい、言わなくて。お前の顔見てりゃ解る」

「あ、そ、そう……」

「なんで……だよ」

「え、今なんて言ったの?」

「なんで、俺じゃないんだよ…お前をそんな『女』の顔にさせてるのが、なんで三成なんだ……」

「え……」




(政宗……?)




その政宗の言葉に、私は思わず目を見開いた。
気がつけば、政宗の瞳は何故か熱を孕んでいて……

まるで知らない『男の人』の顔をしていた。





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