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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第50章 花時雨と恋情のアイロニー《前編》❀石田三成❀





────三成君の、うそつき




結局『少し』なんかじゃ終わらずに、三成君はその場で私をたっぷり愛した。

声が出ないように、私に指を咥えさせたりして。
三成君の熱は、私を蕩かすほどに熱くて……

私も声なき声を上げ、三成君を受け入れて、その熱に溺れてしまったんだ。


まさか、襖の向こう側に政宗が居たとも知らずに。


私は愛される事が嬉しくて……
周りなんて、ちっとも気にすること無く、ただただ身を任せていたのだけど。

見えない所で膨れ上がっていた、ある熱情。
それすらにも気づかずに、この後。



────私は、大変な『過ち』を犯す事になる














────…………















「あー、降ってきちゃった……!」



曇天を見上げ、思わず嘆きながら足を早める。
私はあの後、三成君と別れ、足早に政宗の御殿に向かっていた。

『少し』で済まされなかった行為で、すっかり遅くなってしまい、それでも約束は約束だからと。

三成君は快く、私を送り出してくれた。



(なんだかんだ優しいよね、三成君は)



愛された名残で、まだ身体が少し熱い。
その事を三成君は少し気にしていたけれど、それは心配のしすぎだ。

若干気分もふわふわしながら、急いで向かってたのだけれど……

さっきまでは春の陽射しがあったのに、今はすっかり鉛色の空になってしまっていて。

遂には、しとしとと雨が降り始めた。
まさか雨が降るとは思っていなかった私は、当然傘なんて持っていない。

それでも、これ以上政宗を待たせるのは忍びないと思い、濡れながら小走りで駆けて行った。








「なんだ、お前。傘差して来なかったのか?」



政宗の御殿に着き、出迎えてくれた政宗が、びっくりしたような声をあげる。

まぁ、当然と言えば当然だよね。
御殿に着いた時、私はすっかり濡れねずみになっていたのだから。




「まさか降ってくるとは思わなくて」

「そのままじゃ風邪ひくぞ、とにかく拭け」

「あーごめん、ありがとう」




政宗から手ぬぐいを渡され、髪をぽんぽんと拭いていく。

着替えもないし、乾くまでこのままで居るしかないな。
そんな風に思っていると、政宗がじーっとこっちを見て。

おもむろに、すっと指を頬に滑らせてきた。





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