〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第50章 花時雨と恋情のアイロニー《前編》❀石田三成❀
「ごめんなさい、何も言わないで決めちゃって。でも大丈夫、三成君が心配するような事はないよ」
「美依様っ……」
「私は三成君の恋人だよ、信用して?」
「信用してますが、そのっ……」
今度は、見る見る頬が赤く染まる三成君。
何やら唇を噛み、何か言いたげに、少し俯きながらも。
私が『三成君?』と尋ねると、その顔を上げ、私を真っ直ぐに見据えてきた。
「本当に、困ります……」
「え?」
「貴女が可愛すぎて…どうしようもなく、心が困っています」
「あ……」
その時、三成君が親指で私の下唇をなぞり。
そのまま軽く押してきたので、半開きになった口から、吐息が漏れた。
そして、親指が顎に滑り、ゆっくり三成君の顔が近づいてきて……
そのまま、唇同士がやんわりと重なり合った。
「んっ……」
軽く啄むように始まり、そして。
濡れた舌先が唇をなぞってきたので、誘われるように唇を開く。
その直後、入ってきた熱い舌に、甘く絡め取られてしまった。
ちゅっ…ちゅぅっ……
儚く甘い水音が、耳に響いて。
その音が、だんだん気分を昂らせ、身体を火照らせていく。
思わず、三成君の胸元にしがみつくと……
三成君も私の身体に腕を回し、腰を強く引き寄せた。
「んっ…ぁっ…んぅ……」
「んっ…美依、様っ……」
次第に絡み合う身体。
熱い手が着物越しに背中を這い、ゾクッと肌が疼いて。
その手が背中からお尻に落ち、やわやわと揉まれたとこで、私は唇を離し。
三成君を見つめながら、軽く抗議した。
「だめだよ、三成君…こんな、所で……」
「お願い、少しだけ…いいでしょう?」
「本当に、少しだけだよ……?」
「はい……少しだけです」
そう言いながら、三成君は片手で私の着物の袷を開き、鎖骨らへんに、かぷりと噛み付いた。
瞬間、ピリッと軽い刺激が走り。
少しと言いながらも、三成君は唇を滑らせて、胸元に何度も何度も噛みつく。
身を寄せ合ううちにはだけてきた裾には、三成君の脚が入り込み……
脚もだんだん絡み合って、身体が次第に交じり合い始めて、私は今にも崩れてしまいそうになっていた。