〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第47章 私を見つけて、戯れに〖共通〗❀家康VS謙信❀
「じゃあ、私逃げますからね!」
美依が悪戯っぽく笑い、ウキウキとした声で言う。
その後、美依の弁当を食べ、薬草の採取を終わらせ…
『かくれんぼ』の状態が整った所で、山の中に入った。
かくれんぼは、本来山の中でするものだと。
山のふもとより隠れる場所も多いしと美依に説明したら、美依はあっさり『そうですね!』と同意した。
なんでも素直に信じやすい。
それは美依の良い部分で、欠点でもある。
まぁ、それが最高に可愛いのだが。
「夕刻までに見つからねば美依の勝ちだ、あまり遅くなると物騒だからな、その時は山を降りてこい」
「解りました、謙信様」
「美依、くれぐれも危ない所は行っちゃ駄目だよ?」
「家康、解ってるって!頑張って私を見つけてね」
『五十数えるまで動いちゃだめですよー!』
美依は振り返り振り返り、そんな事を言いながら…
楽しげに山の中へと、姿を消していった。
────そして、残された家康と謙信
美依を見送る時には穏やかな表情だったが。
姿が見えなくなった瞬間、バッとお互いの間合いを取り、刀の柄に手を掛けながら睨み合った。
「一緒に探す、なんて言わないよね、軍神」
「当たり前だ、徳川家康。一緒に探したら美依を見つけた時、どうする?三人での交わりになるぞ」
「それは遠慮する。でも、なんで美依に『本来のかくれんぼの仕方』を教えるのを止めたの」
『本来のかくれんぼ』
異国から大人の娯楽として伝わった、それは。
森や山で女が隠れ、男が捜し、見つかった時には…
────『大人の戯れ』を行う
それが『かくれんぼ』の本来のやり方だ。
まさか美依の口からやりたいなんて、出るとは思わなかったが……
案の定、美依はかくれんぼは『子供のやり方』で認識していたと見える。
「見つけた後に教えてやれば、なんの問題もないだろう。それに、はなから説明すれば、美依は絶対やりたがらないと思うが?」
「……」
見つかったら『大人の戯れ』をするなんて事が解れば、美依は真っ赤になって反対するだろう。
ならば、少しは軍神に感謝せねばならないのか。