〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第46章 だいすきだよ。❀真田幸村❀
お前が恋しくて、愛しくて
あったかい身体も、滑らかな肌も、
お前の全ては、俺のモンだ。
一緒に歩いて来た、奇跡みたいな軌跡
険しい道もあった、厳しい道もあった。
でも、最後にはやっぱり笑ってた。
お前が居れば、今日も陽だまりみたいな、優しい日になる。
「美依っ…もう、出ちまう……!」
「ぁっあっ…ゆきぃっ……!」
「美依っ……んぁあっ…………っっ!!」
びゅくっ…!どぴゅぅっ……!
そして、また紡いでいく。
お前に愛しい言葉を。
素直になれなくても、俺なりに。
俺だけの『お姫様』に、心の想いを伝えていく。
美依は言った、何度も何度も俺に。
『だいすきだよ』と。
だから、お前にも囁くんだ。
『すげーすき』と、『俺の方がすき』と。
────だから、これからもよろしくな、美依
星屑が散りばめられた、濃紺の空の下。
俺達はいつまでも抱き合い、温もりを分け合った。
『美依』『幸村』
それしか知らないみたいに、
何度も何度も、お互いの名前を呼びながら。
────…………
「幸村のばかっ!」
「ばかって言った方がばか」
「もう、知らないっ!」
「おーおー、勝手にしろ!」
美依がふくれっ面で、俺の脇から立ち上がる。
そのまま店を駆け出し……
丁度よく姿を現した佐助にぶつかりながらも、怯むことなく走り去っていった。
(あー…また二の舞かよ……)
己の馬鹿さ加減に、思わず額に手を当てると。
いつの日かのように、佐助は俺の横に座りながら、相変わらずの無表情を向けてきた。
「本当に懲りないな、君達」
「佐助…まぁな……」
「でも、今回は幸村が悪いな」
「また聞いてたのかよ」
「うん」
すると、佐助は無表情ながらも俺に詰め寄り。
じっと凄んできて、俺に淡々と語りかける。
「君にはデリカシーが足りない」
「でり……?」
「繊細さって事。口づけの痕は、女性が気にする場所には付けちゃ駄目だ」
佐助にまで言われ、俺は後ろ頭を掻いた。
それは今さっき…美依にも怒られた事だったからだ。