〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第46章 だいすきだよ。❀真田幸村❀
「じゃあ、なんで知らねーなんて答えたの」
「……恥ずかしいんだよ」
「え」
「改めて祝うとか、小っ恥ずかしいし…何をしてやったら喜ぶのか解んねーだろ」
説明するだけで、顔が火照ってくるのが解る。
あの様子だと、美依も二人の記念日を何かしら祝いたいと、そう思ってるから、あんな聞き方をしてきたのだろう。
でも、生憎だが俺は女の扱いはよく解らない。
何をすれば喜ぶのか、贈り物だって何をあげれば良いのか。
だから…美依の問いかけに『知らねー』しか答えられなかった。
(我ながらカッコ悪ぃ話、してるな……)
赤くなりながら、そう思っていると。
珍しく佐助は口元に笑みを浮かべ、俺に助言するように口を開く。
「記念日なんだから、思い出に残る事がいいね」
「例えば?」
「そうだな、例えば……」
そうして、佐助が提案してくれた事。
この日ほど、佐助が頼もしく思えた日は無い。
美依と喧嘩別れをし、それを挽回しようと……
俺は『明後日』に向けて動き出したのだった。
美依の、あの故郷の花のような、愛らしい笑みが見たい。
それだけを思って────…………
────…………
(……美依、そろそろ来るか………)
────それから二日後の夜
俺は城下の外れにある花畑で、美依が来るのを、馬鹿みたいにそわそわしながら待っていた。
ここは一年前に、俺が美依に想いを伝えた場所だ。
その時の事は鮮明に覚えてる。
二人で逢瀬をして、ここに立ち寄って……
美依があまりに可愛いから、我慢出来なくなって、想いを伝えた。
そうしたら、美依も好きだと言ってくれて。
そのままあいつを宿屋に連れていき、初めて肌を重ねた。
火照った肌や、濡れる声……
それらは、理性をかなぐり捨てるくらい可愛くて。
俺は、ますます美依に溺れていった。
いつも顔を見れば、喧嘩ばかりしているけど。
もっと素直に自分の気持ちを伝えられたなら……
そうすれば、こんな風にすれ違わずに済むのに。
己の損な性分に、ほとほと呆れてくる。