• テキストサイズ

〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第46章 だいすきだよ。❀真田幸村❀




「明後日だよ、よく考えて!」

「お前それ、何回聞くんだよ。知らねーって俺は答えてんだろ?」

「本当に解らないの?」

「おー」




俺が答えを返し、チラッと美依の方を向くと。
きらっきらさせていた瞳が若干翳り、心なしか不満そうな表情をしていた。

しまった、怒らせたか?
そうは思ったが、特に気の利いた言葉なんて出るはずもなく。

俺は変わらずの素っ気ない言葉を返した。




「特に大したことじゃねーだろ?」

「えっ……」

「明後日は別に、なんて事ない普通の日だ」

「……っっ」




すると、美依は目を見開き。
キッと眉を釣り上げたかと思ったら、俺の鼻を手でぎゅむ!っと掴んできた。




「いてーっ!」

「幸村のばかっ!」

「はぁ?!」

「もう、知らないっ……!」




鼻から手を離すと、そのまま立ち上がって駆け出す美依。
その時、ちょうど佐助が店に来て、美依は佐助にぶつかった。

しかし、それでも美依は走り去ってしまい……

俺は一瞬ポカンとしてそれを見ていたが。
内心しまったと思い、思わず後ろ頭を手で掻いた。




「美依さん、随分怒ってたね」

「……まーな」

「本当に心当たりないの、明後日何の日か」

「お前、俺達のやり取り見てたのかよ」

「ごめん、一部始終見てた」




佐助は相変わらずの無表情で、俺の横に座った。

『一部始終見てた』
それなら話は早い、説明する手間が省けるから。



────明後日が何の日か


そんな事は言われなくても解ってる。
絶対忘れるわけない、だって。

俺と美依が一緒に歩き出した日だからだ。






「明後日は、俺と美依が恋仲になって、ちょうど一年目なんだよ」






一年前。
お互いに惹かれあっていた俺達は、互いの気持ちを伝え合い……

そして、恋仲になった。
俺は女なんて面倒くさいと思っていたけど、美依だけは違って。

敵同士と解っていても、俺は美依に恋をした。

大切で、可愛くて可愛くて仕方なくて。
そんな美依と俺の記念日を、忘れる筈がない。





/ 1230ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp