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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第43章 微色の三日月《後編》❀伊達政宗❀




「お前ら…もっと血を見たいか?」

「ひっ……!」

「この伊達政宗に血を流させた事、後悔させてやる」

「伊達政宗……?!」

「こいつ、独眼竜の伊達政宗だ……!」




すると、男達は震え上がり、後ずさりを始め。
顔を真っ青にしたかと思ったら、我先にと逃げ出した。




「こいつヤベぇよ、逃げるぞ……!」

「こんな奴、相手にしてたまるか……!」




腹を斬られた男も立ち上がり、何とか二人の後を追う。

ようやく解ったか、俺の事。
そんな風に呆れ返って、その男達の後ろ姿を見ていたが……

ズキっと腕に痛みが走り、反対の手で腕を押さえた。




「いってぇ……」

「ま、政宗っ……!」




途端に美依が俺に駆け寄ってくる。
顔を見れば、はらはらと涙を零して、唇を噛み締めていて。

俺はふっと笑うと、美依にまた安心させるように話しかけた。




「大丈夫だ、出血の割には深くない」

「ごめんなさいっ…私のせいで、こんな怪我を…血も、いっぱい出て……!」

「だから大丈夫だ、見た目より傷は浅い。このくらい、大したことねぇよ」

「でも、早く手当てしなきゃ……!」

「そうだな、御殿に帰るか」

「私が手当てする……!」




そのまま美依に付き添われ、御殿に向かう。
こんな怪我くらいで、こんなに泣かれちゃな……

そんな事を思い、思わず苦笑が漏れた。

でも、美依を守れて良かった。
傷の痛みより、そっちの安堵感が襲う。

あのチンピラが例の男の元に帰れば、俺の事も奴に伝わるだろう。

そうすれば……
もう美依に付きまとったり、そんな事はしなくなるはずだ。

俺に返り討ちにされるからな?

でも、そのためには……
『俺と美依の関係』を『本物』にする必要があるな。

いつか言わなきゃと思ってたけど……
これは、いい機会かもしれない。

そう思って、ちらっと美依を見る。
美依は泣いたせいで、鼻まで赤くして……

本当に本当に、馬鹿みたいに可愛く見えた。














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