〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第39章 サクラノアメ-朔夜-❀石田三成❀
「いいよ、私も貴方にもっと愛されたい」
「美依様……」
「だから、もっと抱き締めて、離さないで。私の中に…貴方をたくさん、注いで」
「……っっ、美依っ…………!!」
────こうして、また蕩ける程に溺れていく
貴女の熱に、焦がされ、魅せられて
想いが朽ちることなく、花開いていく
美依……
貴女の声は、私を酔わす呪文だ
そして、貴女の蜜は
私を殺す、甘美な毒薬だ
中毒になった今は、もう手遅れだから
貴女をもっとください
私を貴女に繋ぎ止めて
二度と私達が離れないように
結んだまま、解かれることがないように──……
────…………
次の日。
揃って登城した私達は、すぐさま天主に連れて行かれ。
信長様の前で、処罰を受ける事になった。
私達の姿を見て、秀吉様も光秀様も政宗様も。
心配したと言って、なんだかとても優しく笑ってくれた。
そして、家康様は……
『馬鹿』と一言呟き、肩をぽんと叩いてくれた。
皆、決して私達を咎めることはせず。
それが返って申し訳ないと言うか、少しだけ居心地の悪さを感じた。
「家康に事の次第は聞いた。なんとなく察してはいたが…やはり貴様らは、そのような関係になっていたのだな」
「本当に、申し訳ありません……」
「美依、とりあえず貴様が無事で良かった」
「あの、相手方は……?」
美依様がおそるおそる信長様に尋ねると、信長様は脇息に持たれながら、扇子をパチンと閉じ。
変わらずの威厳に満ちた声で、言葉を紡いだ。
「見合いは破談でまとまった、特に問題は無い」
「でも……」
「三成、美依、信長様に感謝しろ」
すると、信長様の側で控えていた光秀様が、にやりと不敵な笑みを浮かべ、耳を疑うような発言をした。
「信長様が、大名に直々に頭を下げられたんだ」
「え……?」
「畳に頭を付いてな、そこまでさせたんだぞ」
それを聞いて、思わず背筋に汗が流れる。
魔王とも呼ばれる方が、畳に頭を付いた。
それが、どれだけとんでもない事か察しがついて。
私は天主の床に頭が付きそうなくらい頭を垂れ、信長様に謝罪の言葉を述べた。