〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第33章 胡蝶ノ乱舞《前編》❀秀吉 × 光秀❀
「ぁあっ美依っ…出るぞっ…………!!」
ドピュドピュ!びゅくっ!どぴゅぅぅっ……!!
秀吉さんの人吠えの直後。
求めていた熱い熱い白濁が、身体の中に注がれた。
満たされる淫欲、身体も、心も……
濃い精がお腹の中に届く感覚に、私は安堵のため息をついて、秀吉さんの厚い胸にもたれかかった。
(気持ちいい…私の欲しいもの……)
そんな私の様子に……
秀吉さんも荒い息を吐きながらも、私の後ろ頭を撫でてくれて。
二人でまだ温もりを分け合うように、お互いを抱き締めた。
────直後だった
「────そう言う事か、美依」
突然聞こえた、低く甘い声。
聞いた瞬間、私は一気に血の気が引いた。
声の聞こえた方、襖に目を向けて見れば……
背中に、燦然と輝く月を背負い。
月明かりに光る白銀の髪と、黄金の宝石のような瞳。
「光秀、さん……」
口元には薄く笑みを浮かべ……
私が先程交わったその人が、開かれた襖にもたれて、さも愉快げにこちらを見下ろしていた。
「先程無理をさせたと思い、水でも運んでやろうと来てみれば……やはり嘘をついていたんだな、美依」
「ち、違っ……!」
「解っていたよ、お前の嘘を見抜けない俺ではない。一回は見逃してやったのに…これでは誤魔化しようがないな、既成事実だからな」
「おい、光秀!なんなんだ、勝手に入って来て」
秀吉さんの言葉を無視し、光秀さんは私達の元に歩み寄ると。
しゃがんで高さを合わせ、ぐいっと私の顎を捕らえた。
嫌でも視線を絡め取られてしまい、光秀さんを必死に見つめる。
すると、光秀さんはふんっと鼻で笑い、私の顎を捕らえたまま秀吉さんの方を見た。
「秀吉、お前も美依と約束したのか?例えば、他の奴の前で『あの香』を付けるなとか、自分の前だけで付けろ……とか」
「なんでそれを知ってる……」
「当然だ、美依は俺とも同じ約束をしていたからな」
「え?」
目を見開く秀吉さん。
光秀さんは、くすっと艶めいた笑みを浮かべ……
私が隠した全てを、白日の下に晒した。