〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第31章 〖V.D企画〗甘い恋人-家康編-❀徳川家康❀
「あっ…イイ……!」
「ぁあっ、いえやすぅ……」
「ん、どうしたの……?」
甘い声で名前を呼ぶので、美依を見下ろしながら瞳を覗き込むと。
美依は腕を持ち上げ、首にしがみついてきて。
そのまま余裕なくも、これまた可愛らしい台詞を放った。
「なんか…家康のことが、好きすぎて…んっ…このままどうにか、なりそう……」
(……っっ、本当にこの子は……)
どうにか、なりそうなのはこっちだ。
可愛い姿を見せられて、可愛い事を言われて。
必死に繋ぎ止めている理性が、今にもぶっ飛びそうになっている。
俺はしがみついている腕に触れながら、さらに覆いかぶさり、その唇をちゅっと啄むと。
その熱に揺れている黒曜石のような瞳を見つめながら、少し苦しそうに美依に言った。
「まだ、どうにかなる余裕があるの……?」
「え……?」
「俺は無いよ、もう美依が好きすぎて、おかしくなってるから」
「……っっ」
「だから、美依もおかしくなって…求めて、俺を」
思わず、心の中の本音が漏れる。
もうすでに、美依に溺れて、どうしようもなくなってる自分。
だから……もっと美依にも溺れて欲しいと。
駄目だと思っても、対等な感情を求めてしまう。
どう考えたって、俺の方が美依の虜になっているのに。
「家康……前言撤回」
すると、美依はふっと目元を緩めて……
今度は反対に美依の方が頭を持ち上げ、唇に触れてきた。
そして、なんだかとても色香の放つ、蕩けた表情で。
繋ぎ止めている理性の線をぶっつり断ち切るような、そんな言葉を紡いだ。
「家康が好きすぎて、もうどうにかなってるから……もっと家康が欲しい。もっと感じたい…家康の熱を。だから……たくさん頂戴?」
(美依っ……)
───俺は、みっともないくらい美依に惚れてるから
だから、その台詞は反則だ。
そんな事を言われたら、止まれなくなる。
身体に孕む全ての熱を、美依に注いで、そして。
美依の全てを奪わなくてはいられなくなる。