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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第31章 〖V.D企画〗甘い恋人-家康編-❀徳川家康❀





「ちょっ…なに考えてんですか……?!」




俺はわざと外に聞こえるように、どんどんっと思いっきり拳で扉を叩いた。

すると、扉の向こう側から。
何やら申し訳なさそうな秀吉さんの声と、何やら自信に溢れた様子の光秀さんの声が、交互に返ってきた。




「すまん、家康。でも、お前達が焦れったいから強行突破しただけだ、頑張れよ!」

「家康、お前も男ならしっかり決めてこい。折角『ばれんたいんでー』に二人きりなのだろう?」

「なっ…秀吉さん、光秀さん!」

「毛布はしっかり干しといたから、寒くはないぞ!美依を風邪ひかすなよ?」

「秀吉、何を心配している。二人で温め合えば風邪なんてひかない、なぁ家康?」




(なに、好き勝手言ってるんだ、この二人……!)




開いた口が塞がらない。
『二人で温め合えば』って、それはつまり……

思わず赤面して、片手を扉に付きながら、もう片手で口元を覆うと。

後ろから美依がひょこひょこやって来て、不思議そうに顔を覗いてきた。




「家康、どうしたの?」

「美依……」




どうしよう、なんて説明したらいいか。
秀吉さんと光秀さんの思惑をどう説明しようか、必死に考えていると……

また扉の向こう側から、俺を焚きつけるような声が聞こえてくる。




「美依、そこに居るのか?」

「居ますよー、光秀さん」

「美依、寒いなら家康に温めてもらえ。家康が何やら話があるようだぞ?」

「え?」

「ちょっ…光秀さんっ!」




何を言い出すんだ、この人は。
これが、俺を思って善意でしてくれているのだとしても。

これじゃ何がなんでも、美依に気持ちを言わなくてはいけなくなったじゃないか。

二人きりで何も無かったなんて事になれば。
秀吉さんと光秀さんに『お前本当に男か』と、後で問い詰められる事になるだろう。




(それだけは…絶対にごめんだ………!)




「二人とも、ゆっくり『片付け』をやって構わないからな。また明日の朝にでも様子を見に来る」

「頼むぞ、二人とも。また明日な!」




秀吉さんと光秀さんの声は、それを最後に途絶えた。
俺はがっくり項垂れるしかなく…

頭に疑問符を浮かべる美依を尻目に、大きくため息をついた。





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