〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第30章 〖V.D企画〗甘い恋人-政宗編-❀伊達政宗❀
「あっ…ぁあっんっっまさ、むねぇ……っ!」
「美依っ…イイっ…ぁあっ……!」
────そして、艶声を響かせて
淫らな華に止まる蝶々のように。
蜜に誘われ、紡がれる囁きに囚われていく。
とびきり甘い蜜毒は、俺を蝕み……
如月の冷たい空気に溶けてしまうように、その熱い身体を重ねては果てていった。
────…………
「まだー?」
「まだ熱くなってないから、まだだ」
「あんまり熱くすると焦げるでしょ?」
「よく熱さないと、くっついて余計に焦げるからな」
────次の日
たまたま休みだった俺は、美依と一緒に台所に立って甘味を作っていた。
美依が何の甘味を作っていたか気になった俺は、美依からその作り方を聞き……
それなら一緒に作ってみるか、と言った所、快く頷いてくれたので。
美依が作ろうとしていた甘味を、今度は俺が教えながら作っている。
(しかし…この手順でどうしてあんなに焦げるんだ?)
美依が作ろうとしていたのは。
小麦粉、卵、砂糖、蜜などを合わせて焼き……
それに、甘いタレを掛ける。
ただそれだけの、簡単なシロモノだ。
しかし、昨日の様子だと、台所はしっちゃかめっちゃかだったし……
美依はもしかしたら、思っていたより不器用かもな。
そんな事を思って、思わず苦笑が漏れた。
「ほら、これでいいのか?」
「わぁ…さすが政宗!美味しそう!」
「俺を誰だと思ってる。これにさっき作ってたタレを掛けるんだろ?」
「うんっ」
美依お手製のタレは、企業秘密だと訳分からん事を言って、作り方を教えてくれなかった。
俺は、美依がウキウキしながら、最後の仕上げをするのを横目で見て……
愛しさを感じ、思わず笑みが浮かんだ。
しかし、仕上がりを見てみると。
かなり甘ったるいものだとは想像出来る。
だって生地だけでも相当甘そうなのに、それに蜂蜜みたいなタレが掛かって、粉砂糖まで振るってある。
すると、美依は用意しておいた箸を掴み。
その甘味を一口大に切ると、俺の口元に差し出してきた。