〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第30章 〖V.D企画〗甘い恋人-政宗編-❀伊達政宗❀
「んっ…なかなかに美味いぞ、これ」
「嘘だよ、焦げてるのに!」
「でも、中はなんか甘いから食える」
「甘いわけないじゃない…無理しないで」
言えば言う程、美依は顔をしかめる。
なんだ、俺の言う事が信じられないのか?
だったら───……
お前も味わって見たほうがいい。
その甘さを、込めた想いを。
「無理なんかしてない……ほら」
俺は、すっと美依の顎を掬うと。
そのまま、優しく唇を重ねた。
そして、やんわり舌を差し入れ、美依の舌を絡めとる。
口の中を堪能するように、優しく舌先でくすぐり。
そして、ちゅっ…と音をして離すと。
俺は、さも当然と言ったように美依に言った。
「────ちゃんと、甘いだろ?」
お前が甘くないわけない。
気持ちも、唇も、何もかも。
じゃなかったら、俺はこんなにお前に酔わない。
そんな想いを込めて、美依を間近で見つめる。
すると、美依は頬を林檎みたいに赤らめ。
困ったように、今まで重なっていた唇を噛んだ。
「……なんだよ、その顔」
「政宗って……ほんとずるい」
「なんだ、それ」
「そんな風にされたら、私……」
「私?」
そのまま美依は、少しそっぽを向いて。
少し悔しそうに、ぽつりと漏らした。
「政宗しか見えなくなりそうで……好きになりすぎて、困る」
(美依……)
可愛い、可愛すぎる俺の美依。
素直で、少しだけ不器用で。
だが、何よりも愛しい、甘い存在。
困るって言うなら、今の俺をどうしてくれる?
俺はもう、お前しか見えていないのに。
「馬鹿、困るのは……俺の方だ」
「え?」
「お前があんまり可愛いから、もう限界まで好きになってる。これ以上煽るな、俺の心臓が持たないだろ?」
「……っっ」
「だから、お前ももっと惚れろ、限界まで好きになれ。そうしたら…限界越えて愛してやる、美依」
すると、美依はびっくりしたように、大きな目を見開き。
これまた可愛く笑って、小さく『うん』と頷いた。