〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第25章 白雪-sirayuki-《恋情編》❀真田幸村❀
(────…………言っちまった)
俺は美依を抱き締めながら。
自分でも顔が真っ赤になっていくのが、よく解った。
美依の表情を伺う勇気もない。
簡単に『好き』とか『可愛い』と言える男は、脳内どうなってんだろうと思う。
「……ゆき、むらっ……」
すると、美依が小さく声を発し。
胸の中から顔を上げてきた。
必然的に絡み合う視線。
美依の瞳は微かに潤み、赤くなっていて。
その瞳が近づいていたと思ったら……
ふわりと。
唇同士が柔く触れ合った。
「……っっ」
美依に口づけられた。
そう思うや否や、美依は可愛く睨みつけてきて。
思わず目を見開くと、白い吐息を唇から漏らしながら、美依は何故か悔しそうに口を開いた。
「ずるいよ、普段はそんな風に素直に言ったりしないのに…」
「美依……」
「だから、お返し。私が散々どきどきした分、幸村もどきどきして。でも…これからはもっと、いっぱいどきどきさせて」
「……!」
「私だって、同じ気持ちだから」
美依が小さく笑う。
可愛く、可愛く、天使みたいに。
そして、紡がれる。
俺の聞きたかった『魔法の言葉』が。
「私も……幸村の事、大好き。すごい…好きだよ」
────その言葉は
燃えたぎる身体の熱を、さらに熱く加熱させた。
暴れ回って止まらない。
美依への気持ちが。
自分に巣食う、熱情が。
(なんかもう、駄目だ────…………)
「んっっ……!」
美依が息を詰めて、声を漏らす。
その儚い吐息も全部奪うように……
俺は美依の唇を、激しく奪った。
薄く開かれた唇を割り、強引に舌をねじ込んで。
そして、逃げる美依の舌を絡めとる。
────そう、『あの日』のように
「んっ…はぁ…あっ……」
美依が身を捩って逃げようとするも。
しっかりと抱き締め、動かないように固める。
必然的に漏れ出る水音も。
耳に甘くて、俺を加速させる材料でしかなくて。
空気は冷たい筈なのに、身体はどんどん熱が上がって暑いくらいだ。