〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第24章 カンタレラに久遠の蜜謳を《後編》❀上杉謙信❀
びゅくびゅくっ!どぴゅぅっ!ごぷり……!
それから──……
幾度か注いだ熱は、中に入り切らずに、垂れ流れて俺の脚をぐっしょり濡らした。
美依もそろそろ限界のようで。
このまま続ければ、美依は本当に壊れてしまうかもしれない。
だったら、早く認めればいいものを。
俺の手に堕ちる事を……簡単だろう?
「美依…まだ注がれたいか。お前が認めるまで止めんぞ」
「……」
「美依……?」
胡座の上でもたれ掛かってくる美依に問いかける。
しかし……
美依は口を利かず、目も唇も半開きにして、ぜーぜー言っているだけだ。
しばらくそうしていると。
美依は怠そうに左手を動かし……
自分の襦袢の腰紐を、しゅるりと引き抜いた。
「こんな事……」
「ん……?」
「こんな、酷いことを続けるのなら……」
すると、美依は蕩けた表情から一転。
意志の強そうな瞳になって、俺をきっと睨みつけた。
黒真珠のように輝く瞳。
それは炎を宿しながら……
俺にきっぱりと、覚悟を決めたように言い放った。
「この紐で、自分で首を括って自害します……!」
「は……?!」
俺は目を見開いた。
『自害する』
それは、自ら命を捨てる事。
美依は何を言っている……?
「謙信様なんか嫌い、大っ嫌いです…!」
「……っっ!」
「こんな風に私を閉じ込めて、身体を奪って…どうして、どうして……謙信様はそんなやり方をするんですか?!」
「美依……」
「私は、こんな事をしなくたって、私は……」
美依の瞳から、再度涙が溢れる。
悲しみでもない、生理的な雫でもない。
それは──……
熱の篭った、優しさのひと雫。
「謙信様の事、愛しているのに────…………!」