〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第22章 艶熱蝶々-視線の鎖- ❀明智光秀❀
「光秀、さんが…すき、です……」
(……は?)
その言葉に、反射的に美依を見てしまい。
その後、しまったと言う後悔も遅く、その視線に捕らわれる。
熱っぽい、慕情とも間違える眼差し。
それは鎖となって、俺を縛り。
美依を見たまま、動けなくなってしまった。
「何を…言っているんだ、お前……」
「すき、なんです…私は、だめ…ですか」
「熱に浮かされているんだろう…ほら、横にな…」
「光秀、さんっ……!」
言葉を途中で遮り。
美依は、腕を伸ばしてふわりと抱きついてきた。
そして、そのまま唇が重なる。
驚く間もなく、唇を割ってねじ込んできた舌。
それは焼けるように熱く……
水を飲ませる為に口づけていたのが、如何に作業的だったかを思い知った。
「んっっ…美依っ……!」
「んぅ…みつっ…はぁっ……!」
ちゅっ…ちゅうっ……
その熱い舌が絡まり、全てを奪われそうなまでに思考を蕩かされる。
漏れでる吐息も、途中で呼ばれる名前も。
艶めかしい熱は、ゾクッとする程背筋を走り。
イケナイ暴走をしそうになってしまう。
────しかし
全て蕩かされる寸前に、残った理性で身体を動かし。
俺は美依の両肩を掴むと、引き剥がして、その褥へと押さえつけた。
「はぁっ…はぁっ……」
美依を褥に押し倒す体制で、そのまま乱れた息を整える。
美依も身体の下で荒い息をしながら……
それでも何かもの足らなさそうに、見上げてきた。
「何の、つもりだ、美依……!」
その熱っぽい瞳を見下ろし、俺は美依に凄む。
こんな事を男にして、どうなるか解っているのか。
俺は誘われれば、いつでもお前を手篭めに出来る。
熱に浮かされていたとしたって、同様だ。
むちゃくちゃに抱いて、傷つける事も出来るのに。
それをしない理由が解るか、美依。
内心に駆けずり回る、思い。
それを一つも伝えられず、美依の言葉を待っていると。
美依はまだ凝りもせず……
その熱に浮かされた『うわ言』を繰り返した。