〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第22章 艶熱蝶々-視線の鎖- ❀明智光秀❀
しゅるっ……と腰紐を解き、前をはだけさせる。
そして、美依の体制を少しずつ変えながら、濡れた着物を剥ぎ取った。
途端に露わになる、美依の裸体。
線は細く、それでも女らしい柔らかさを兼ね備えた身体付きに……
俺は思わず、喉を鳴らした。
(……何を考えているんだ、こんな時に)
邪念を振り払うように、湯で手拭いを絞る。
馬鹿みたいに欲情している場合では無い。
美依は今、苦しがっているのだから。
少しでも楽にしてやらねば。
さっさと身体を拭き、着物を着せてやろう。
「美依…身体を拭くぞ」
俺は美依に声を掛け、汗ばんだ身体を優しく拭き始めた。
肩から腕、脇の下、胸の間。
足の付け根や…本当なら恋仲の男しか見てはならない場所も。
何度も手拭いを絞り直し、優しく汗を拭っていく。
そうして全身を拭いていると……
美依がぼんやりと言った様子で薄目を開け。
こちらに視線を向けながら、ぽつりと言った。
「光、秀、さん……」
「悪い、汗があまりに酷いから拭かせてもらった」
「あ……」
「どうした、寒いか…すぐに着せてやろう」
一回美依の上半身を起こし、新しい夜着を羽織らせる。
そして、前を合わせ、腰紐を縛ろうとしていると……
美依がその手を弱々しく掴み、そして視線を向けてきた。
「……どうした?」
一回手を止め、美依の顔を見て問いかける。
尋ねても美依は返事をしない。
しかし……
(……何故、そんな瞳で見る………?)
その熱を孕んだ瞳。
それは高熱のせいか、なんなのか……
真っ赤に潤み、そして何かを求めているように見えて。
俺は思わずふいっと逸らすと、再度腰紐を縛り始めた。
なんとなく、それをずっと見ていたら……
自分が堪えられなくなりそうな、そんな自信があった。
美依は今、具合が悪い。
しかも恋仲でも何でもない、手は出せないのだ。
────だから、そんな目で見るな、美依
己の本心を抑え、無言で紐を縛り終える。
すると、美依は荒い息を吐きながら…
やっと、という風に言葉を紡いだ。