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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第22章 艶熱蝶々-視線の鎖- ❀明智光秀❀





(求めるなら、傍に居てやろう…お前が満足するまで)




腕に美依を抱き締めたまま、小さく決意する。
出来る限りの事をしてやろう。

俺は政宗のように料理は出来ないし、家康のように薬の調合も出来ないが。

それでもここに居て、『何か』は出来るはずだ。

熱すぎる小さな温もりを腕に感じながら……
俺は愛しさが募り、そっとその汗ばんだ額に唇を押し当てた。
















────…………



















「美依……ほら、もう一回水を飲め」




美依の上半身を抱き起こし、自分に身体をもたれ掛けさせる。

俺は茶碗に手を伸ばし、手に取って一口水を口に含むと。
そのまま、美依にそっと口づけた。




────こくっ




美依の喉が鳴ったのを確認し、唇を離す。
そして、再度口に水を含み、唇を重ねた。


美依の傍に付いてから、どのくらい時間が経っただろう。


水を小まめに飲ませる。
それ以外の対処法も見つからないまま、俺は何度か口移しで美依に水を飲ませた。

幸い、美依は飲ませれば反射的に喉を鳴らし、水を自分に流し込んだ。

水を飲ませ始めてから、美依はさらに汗をかき。
心なしか、熱もじんわり下がり始めた感覚がする。

それに。




「美依、まだ熱いか……?」

「んっ……」

「熱いんだな、解った」




かろうじて、応対のような素振りも見せる。

呼吸はまだ荒いが、それでも……
この高熱さえ下がれば、だいぶ楽になるだろうと。

なんとか熱が下がらないものか、頭の中で思考を巡らせる。




「しかし、汗がすごいな……着物がぐっしょりだ」




着替えが先だな。
俺はそう直感すると、再度美依を寝かしつけ。

立ち上がって箪笥から別の夜着を取り出した。

一回汗を綺麗に拭いてやり、着替えさせて。
そして、手ぬぐいなどで血管の太い場所を冷やす。

頭の中でやる事を組み立て、美依を着替えさせにかかった。

掛布団と毛布を剥ぎ取り、美依の身体を外気に晒すと。
美依は寒そうに、きゅっと手足を縮めた。







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