〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第21章 俺的四つ葉の幸福論《生誕記念》❀徳川家康❀
────幸せの連鎖を繋げる為に
俺達はきっとめぐり逢い、そして。
それは、未来への架け橋となる為に。
俺達は、必然的に愛し合ったのだ。
「美依っ……!」
勢いよく、自室の襖を開ける。
開けた途端、俺は思わず目を見開いた。
赤い夕陽が差し込む、己の自室。
いつもとなんら変わりの無いその部屋に。
佇むのは、一人の天使。
純白を纏った……愛しい者の姿があった。
「美依……」
「家康、おかえり。無事に辿り着いたんだね」
「やっぱり居た…どうしたの、その格好…」
「あ……うん、これね」
美依が少し頬を染め、はにかんだように笑う。
美依は純白の花嫁衣裳を着ていた。
白無垢ではなく、西洋の花嫁衣裳。
美依の柔らかな身体の線がはっきり解る、その衣装は、神々しいまでに美依を映えさせ、そして…
清らかさと艶やかさを併せ持つ、そんな印象を受けた。
「家康にね、何をあげていいか解らなかったの。なんでもいい訳じゃない、何か大切なものをあげたいって」
「美依……」
「それでね、私を丸ごと家康にあげようと思ったの。身体も心も、名前も…だったら、この衣装かなって、内緒で縫ったんだ。家康…どうか、私を貰ってください」
「……っっ」
「お誕生日おめでとう、家康。これからも……ずっと、一緒に居ようね」
(本当に、この子には……適わない)
可愛い美依。
素直で健気なその姿は、いつしか俺の心を、丸ごとかっさらって行った。
それは今でも、俺を捕えて離さない。
そして、身体の根っこに熱情を植え付ける。
それは痛いほどに、奥底で燃えたぎって…
でも、愛しい愛しい、熱い感情。
「家康……?」
俺は美依に近づくと、その小さな身体をふわりと抱き締めた。
温かく、柔らかい身体。
これに俺はどれだけ癒され、そして…
生きる希望と幸福をもらったか。
手に入れたら幸福が訪れる。
俺にとってはきっと。
────美依自身が『四つ葉のくろーばー』なのだ