〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第20章 猫さんと曇天の銀杏の木 ❀ 石田三成 ❀
時は既に、睦月の終わり。
寒さが厳しく、濃紺の夜空も澄んで……
雲ひとつなく、三日月が燦然と輝いている。
先程、雨が降っていたのが嘘のようだ。
いつの間にか大きな存在になっていた『美依』は。
柔らかく、私を温めて、そして。
可愛い声でないては、私を誘い出す。
一緒に昼寝をしたら、頭を撫でてあげましょう。
寒くなったら、ぎゅっと抱き締めて。
────そして、いつまでも、一緒に居ましょうね
言葉を紡いで、伝える。
貴女が大事ですよ、大好きですよと。
温もりを分け合って、そして安らいでいく。
私は、そっと褥の横に寝転びながら……
大好きな『美依』の頭を、
そっと優しく撫でたのだった────…………
《猫さんと曇天の銀杏の木》
終