〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第18章 桃色酔宴 -戯れと蜜の春- ❀伊達政宗❀
「なんだ、なんかあったのか?」
「政宗っ…そのっ…ごめんなさい……!」
「……なんで謝るんだ?」
様子のおかしい美依に理由を問いただす。
美依は言いにくそうに、しばらく唇を噛んでいたが……
やがて観念したかのように、その花びらのような唇を開いた。
「秀吉さんに聞いてきたなんて、本当は嘘なの。そのっ…見ちゃって、私……」
「何を」
「ま、政宗が……」
「うん」
「政宗が…そのっ、一人で、してるとこを……」
(…………は?)
それを聞いて、目を見開く。
『一人でしているとこを見た』
それはすなわち……
「お前…俺が自慰してるとこ、見たのか……?」
声も掠れ掠れ、美依に聞くと。
美依は気まずそうに、コクっと頷いた。
途端、頭を鈍器で殴られたような衝撃が走る。
まさか見られていたなんて。
美依の事を思いながら、みっともなく腰を振って。
そんな、雄丸出しの、醜い姿を見られていたなんて。
「……いつからだよ」
「え?」
「どの辺から、見てたんだ?」
「政宗、ふらふらして宴を出ていったでしょ、私にぶつかっても気づかずに行っちゃうし」
「あー…言われれば、なんかぶつかったな……」
「私、すぐに後を追いかけたら、そしたら部屋から苦しそうな声が聞こえたから…だから、少し襖を開けたら、政宗がうつ伏せで……」
「あー……」
つまりは美依の名前を呼びながら達したとこも、案の定見られていた訳だ。
どっと情けなさが襲って、がっくり項垂れる。
美依の前では、いつも格好いい姿で居たかったのに。
こんな…一番嫌な醜態を晒すなんて。
「……悪かった、美依」
「え?」
「お前を材料に自慰してた。お前が俺に抱かれて乱れてるとこを想像したら……手が止まらなかった」
「……っっ、いいの、政宗」
すると、美依はその小さな手で、俺の手をぎゅっと握ってきた。
顔を上げると、美依と視線が絡む。
美依は熱っぽい瞳をして、俺を見てきて。
そして、どこか申し訳なさそうに口を開く。