〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第18章 桃色酔宴 -戯れと蜜の春- ❀伊達政宗❀
────愛してる、美依
想いが通じ合い、俺は馬鹿みたいに美依を抱いた。
心も身体も繋がっている。
その確かな繋がりを、少しでも多く実感したかった。
可愛い美依が、俺の手で乱れる快感。
それは、快楽主義者の己を、死ぬほど満足させてくれた。
だから、ちょっとした罪悪感が残る。
酒に酔っ払ったとは言え、美依を想像しながら、自分一人で果てたこと。
美依をそんな風に、自慰の材料にした事。
確かに、ものすごく気持ち良かったが……
(もしかして…美依の月のモノが終わるまで、俺は疼くたびにコレなのか?)
諦めに似たため息が、唇から零れた。
と、その時……
「政宗、居る……?」
襖の外から、聞き慣れた可愛い声が掛かった。
それを聞き、俺はゆっくり身を起こす。
そーいや、宴を抜け出して来たんだった。
それを思い、急いで乱れた身なりを整える。
しばらく戻らなければ、探しに来たっておかしくない。
自慰に耽っていたなんて、そんな格好悪い姿を見せてたまるか。
袴を整え、汚れた畳をその辺にある紙で、さっと拭き……
そして、俺は何事も無かったかのように胡座をかいて、その『可愛い声』に返事を返した。
「美依、どうした?」
「あのっ、入って大丈夫……?」
「ああ」
一呼吸置いて、ゆっくり襖が開かれ。
そして、可愛い声の主が顔を見せた。
相変わらずのあどけない顔に、少し酒が入っているのか、頬はうっすら桃色に染まり。
そんな、どことなく煽情的な風体とは裏腹……
目が泳いで、何か迷っているような、そんな表情で。
俺は手招きをして美依を傍に寄らせると、そのまま横に座らせ、顔を覗き込んだ。
「どうした?」
「秀吉さんから、政宗が酔っ払ってるって聞いて…その、大丈夫……?」
「ああ、少し休んだから大丈夫だ。様子を見に来てくれたのか?」
「……っっ」
「美依……?」
なんか、美依の様子がおかしい。
困り顔だと思ったら、みるみる顔を赤らめ、気まずそうに視線を落とし。
さっきから、まともにこっちを見ようとしない。