〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第18章 桃色酔宴 -戯れと蜜の春- ❀伊達政宗❀
(あ、なんか…身体……)
その時。
自分の身体の異変に気付き、思わず酒を煽っていた手が止まった。
下手に美依の事を考えていたら……
腰がぞくぞくし始め、熱の中心に芯ができ始めたのを感じた。
酒の力も加わってか、頭がふわふわとして。
気持ちも昂り、このまま暴走しそうになってしまう。
「はぁっ……」
「おい政宗、大丈夫か?顔真っ赤だぞ」
「別に、平気、だぞ?」
「なんで疑問系なんだ…飲み慣れないものを飲むからだ、水要るか?」
「ん……要らない」
水を差し出す秀吉の手を払い、そのまま立ち上がる。
水より、もっと欲しいものがある。
この疼いた腰は、どうやったら収まるのか……
そんなのは、至極簡単な事だ。
愛しい存在の身体を奪い、熱を注げばいい。
しかし……
今はそれをしてはならない。
俺だってきちんと解ってる。
美依に無理はさせられない事。
愛しているからこそ、我慢しなければいけない時もある事。
────身体がそれを納得するかは別問題だが
「悪い、少し抜ける。秀吉、後を任せていいか」
「え、別に構わないが……って、おい、政宗?」
そのままふわふわと歩いて、宴を後にした。
別に俺が居なくとも、秀吉が卒なくまとめるだろう。
抜け出す途中、誰かと肩がぶつかった。
しかし、それを気にする余裕も無く、その場から早々に立ち去る。
酒やら何やらで、昂った身体。
それを鎮めたいと……思考はそれだけに向いて。
頭の中は、新年早々艶っぽく色付いて、留める術を持たなかった。
────…………
「あー……これ、結構キてるな……」
襖に寄りかかって座り、そのまましゅるしゅると袴の紐を解いていく。
自室に戻ってきた俺は、前が苦しくなったのに、堪らず己の袴に手を掛けていた。
酒のせいで、思考回路がぼんやりしている。
やはり、呑み慣れないものは、馬鹿みたいに呑むもんじゃない。
だが……
俺だって、酒に呑まれたい時もある。
美依が欲しい、死ぬほど欲しい。
この手で愛でれないと解っていても、身体は欲望に正直だ。
女を求めれば、身体は芯から熱くなり……
当然、その中心は存在を露わにし始める。