〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第18章 桃色酔宴 -戯れと蜜の春- ❀伊達政宗❀
(今夜は美依を抱けないんだよな……)
先程から、頭の中で自分に言い聞かせるように。
同じ言葉がぐるぐると、ひたすらに回っていた。
美依から『月のモノ』が来たと話を聞き。
そして、今夜は御殿に泊まらない。
つまりは、美依をしばらく愛せない。
その事実が予想以上に堪えている自分がいた。
(くそっ…俺の計画が……)
はっきり言って、自分の中で計画があった。
新年になり、今日は初めて美依が泊まりに来ると言う話で。
正直……めちゃくちゃに可愛がる予定だった。
つまりは、美依の『姫始め』。
昨年も思いっきり愛しまくって年は暮れたが……
その年最初の交わり、身体の繋がり。
それを思いっきり楽しみにしていたし、どんな風に愛してやろうか、色々考えを巡らせたりしていた。
だから、肩透かしを食ったのも同然。
これが呑まずにやって居られるか。
酒を呑みたいとは、そーゆー理由だ。
「おい、政宗。そんなに呑むな、お前下戸だろ?」
秀吉の言葉を無視し、手酌でぱかぱかと呑み進める。
頭では解っているのだ。
今、美依の身体は『女』の時期である事。
子供を産む役目がある以上、絶対避けられない事で、その時期は病気などが移りやすい事も解っている。
だから、男と交わる事は、してはいけないと。
だが……
頭では理解していても、身体と心は別物だ。
美依に触れたい。
それは常に頭にある事で。
「あははっ、三成君、今日も寝癖ついてるよ?」
明るい声に、そちらへ目を向ければ愛しい恋人。
今日は淡い花柄の着物を着て……
宴だからと、少し艶っぽい化粧で。
美依はあんなに純粋無垢な見た目とは裏腹、褥の中では、思いっきり『女』の表情を見せる。
赤く染まった、白い肌。
潤む瞳や、欲しがる顔や。
淫らに喘ぐ啼き声も……
その艶っぽさと来たら、それ以外見えなくなるくらい中毒性がある。
惚れた弱みと解っていても……
それを思い出すだけで、腰が疼く。
身体の芯に熱が灯り、そして。
────全てを奪わずには居られなくなる。