〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第16章 SEKIRARA ー秘密の言葉はお前の為にー❀明智光秀❀
「……本当に解らないのか?」
「だって光秀さん、自分からこれが好きとか言ったりしないし、無欲と言うか、自分の事はどうでもいいみたいな所ありますよね?」
「最近の俺は、結構欲張りだぞ?」
「うー…でも解らないです」
「仕方ないな、少し手掛かりをやろう」
「あ……」
そう言って、美依の肩を押し、ゆっくり背中を畳に付けさせると。
美依は少し息を呑んで、見上げてきた。
黒曜石のような瞳が揺れ、微かに潤み。
覆いかぶさって、その瞼にそっと口づけると、美依は息を詰め、きゅっと身体を強張らせた。
「こうして今、俺とお前が愛し合ったら、結果どうなる?」
「え……?」
「お前と結ばれて、お前を毎夜愛でていたら、花月は出来たのだろう?なら、今宵も抱かれろ。それを望む事の、示唆するものは?」
「光秀さん……」
「……解らないか、美依」
解るようで、解らない。
そんな狭間で揺れるような、美依の表情。
そんな愛くるしい、可愛い嫁の唇を一回啄み。
耳元で……
『その答え』を教えてやった。
「……二人目が、欲しい」
「……っっ」
囁いた途端、美依は耳たぶを真っ赤にさせた。
こういう、いつまでも生娘みたいな反応が。
余計に煽るという事が、美依には解らないのだろうと思う。
そのまま美依の脇腹をそっと撫で、薄い夜着越しの体温を味わう。
愛している。
みっともないくらい愛している、美依。
そんな気持ちを乗せて、優しく身体をさする。
微かに震える美依。
それを目一杯愛でたい。
とろとろに蕩ける程に甘やかして、そして。
────繋ぎたい、更なる愛の結晶を
「そろそろいい頃合だろう、花月もしっかりしてきたし」
「光秀、さんっ……」
「言っただろう、俺は最近欲張りなんだ。もっと幸せになりたい、お前を愛する事を止める気はないし、なら…その先を、俺は見たい」
「……っっ」
「……嫌か………?」
すると、美依はするりと細い腕を、首に回してきて。
そして、たった一言。
『いいえ』と呟いた。