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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第16章 SEKIRARA ー秘密の言葉はお前の為にー❀明智光秀❀





「お誕生日おめでとうございます!!」




────数日後、十月四日の夜


安土城で誕生日の宴が、賑やかに執り行われた。
勿論、盛り上げ隊長は美依と花月。


政宗と美依と花月、三人で作ったご馳走が並び。


秀吉、美依、花月で披露された、祝いの舞も素晴らしかった。

まぁ、一つ問題を挙げるとすれば。
完璧な秀吉の太鼓に、美依の鈴の音がズレていた事。


『トントトン』の次は『シャンシャンシャン』


三回だと言われていたのに、二回しか鳴らさなかったことで、鈴の音は見事にズレた。


しかし、それも微笑ましく…


一生懸命な美依と花月に愛しさが湧き上がり、頬が緩むのを止められなかった。

と、同時に。
涙腺まで緩んで、涙が出そうなのを堪えるのに必死で。


『まぁ、いいんじゃないか?』


家康並の天の邪鬼な感想が出たのは、言うまでもない。
こんなに満ち足りた誕生日は、初めてだった。

そして。
美依から『一番欲しい物』を貰う瞬間が訪れる。





















「そう言えば、花月はどうした?」




光秀が美依に膝枕をされながら、不思議そうに言葉を紡ぐ。

誕生日の宴の後。
御殿に帰ってきた光秀と美依は、久しぶりに夫婦だけの時間を過ごしていた。

美依は光秀の耳かきをしながら、ふふっと微笑み。
一回手を止めて、膝にある淡い色の髪を梳いた。




「今何時だと思っているんですか?花月はもう寝ちゃいましたよ」

「一人でか?」

「いえ、今日は花月お気に入りの女中さんに預かってもらっています。はい、こっちの耳が終わったので反対を向いてください、光秀さん」




美依に言われ、ころんと頭を逆に転がす。
また美依が耳かきを始め、あまりの気持ちよさに、思わず微睡むと…

美依が何か残念なそうに、ため息をついた。




「結局解らなかったな…」

「ん?」

「光秀さんの一番欲しい物。今日の夜まででしたよね、考える期限。考えても考えても解らなかったんです、私…実はあまり光秀さんのこと、解ってないのかなぁ…」




美依の残念がる声に、手を止めさせると。
むっくり起き上がり、そのまま瞳を覗き込んだ。




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