〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第2章 蜜毒パラドックス《後編》❀豊臣秀吉❀
「美依…出ていく、美依……!」
緩く緩く腰を動かし、一滴も残さないように種を送り込む。
やがて、出し切ったのを感じ、くぷんっと高まりを引き抜くと。
美依の中から漏れ出た白濁液が垂れ流れ、つーっと尻を伝って太腿を濡らした。
「はぁっ…はぁっ…秀吉さん……」
「すごい、気持ちいい…ああ、最高だ……」
くんっと身体に力を入れ、前に倒し。
美依の背中をゆっくり褥に付ける。
お互い荒い息を吐き、そして視線をかち合わせ。
一回ゆっくり唇を啄むと、美依はくすっと笑った。
(ああ、幸せだ───…………)
頭の中は蕩け、その余韻に完全に浸るように。
駆け抜けた後の気怠い身体を、美依の身体預けた。
───直後だった。
「────大名、そこまでです」
障子の向こう側から響いた、冷ややかな声。
その瞬間。
一気に現実に引き戻された。
(光秀…………!)
「え…誰か、外に………」
上半身を美依から起こすと、美依は行燈でも解るくらい顔を青ざめ。
その濡れた身体を起こして、障子の方に顔を向けた。
釣られて障子の方を向けば、くっきりと人影が障子に映っているのが見える。
影は一つ、大名か、光秀か……
今まで演技でもなく、美依を啼かせるに啼かせた事実が頭によぎり。
背中に冷や汗が伝って、流れ落ちて行くのが解る。
頭の中は一気に冷え……
そして、凍りついて固まっていく。
「貴方様の破廉恥な性癖を恨むんですね、もっとも、それは暗い牢の中でですが……お覚悟を」
光秀の低く通るような声が響き……
それ以外は全く何も聞こえないまま。
その影は、ふっと障子から消えた。
「終わった、のか……?」
「え、秀吉さん…どう言う、事……?」
「……っっ」
「秀吉さん……?」
「美依……」
何がなんだか解らないと言った表情の美依を、きつく抱き締める。
そして、その不安に揺れる瞳を見つめながら……
美依に『真実』を伝えた。