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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第12章 俺の恋人は藍玉の天使《後編》❀豊臣秀吉❀




「そ、そうかな…ありがとう。秀吉さんにもらったの、婚約指輪として」

「へえ……ついに結婚か、美依さん」

「そ、それはまだだけどっ……!」

「アクアマリンだね、それ」

「秀吉さんは『藍玉』って言っていたよ」

「アクアマリンの和名が、藍玉だよ、美依さん」




お茶を啜る佐助君が、やたら優しい目で見つめてくるので……

思わず照れて、顔が赤くなってしまった。


『アクアマリン』


それは、現代ではとっても馴染みのある名前で。
確かに、三月の誕生石はアクアマリンだ。

なんでそれにも気づけなかったのか……

デートでは、相当浮かれていたな、と。
思わず苦笑が漏れる。


秀吉さんが、私をいつでも守れるようにと贈ってくれた指輪は。


私には勿体ないくらい、きらきらと輝いて……
私を本当に幸せな気持ちにしてくれた。





「あのね、この指輪も一緒にタイムスリップしたんだよ」

「え?」




そう言って、私がその指輪の経緯を話すと。
佐助君は何か思いつめたように、唸って……

やがて、何か気づいたように、顔をこちらに向けた。




「もしかして……その指輪が俺達を未来に運んだのかな」

「え?」

「アクアマリンは別名『天使の石』とも呼ばれていてね。それに、古代ローマでは、アクアマリンは月の女神の石とされていたんだよ」

「あ、女神って……!」

「うん、そーゆー事」




佐助君が何か誇らしげに笑う。
そして、穏やかに言葉を紡いだ。








「きっとその指輪に宿る、天使や女神様が、俺達を未来に連れていったんだと、俺はそう思う。不思議な事は世の中にたくさん転がっているから……結局何も確かな事が解らないなら、そう信じていてもいいんじゃない?」








(確かな事が解らないなら……)



そう言われ、指輪を見つめる。
秀吉さんが海で贈ってくれた、海の力を持つ指輪。

きっと色んな力や偶然や奇跡が合わさって……

今回のクリスマスの奇跡を起こしたのかな。
そんな風に思った。

結局、本当のことなんて解らないなら……

女神様が起こした神秘的な奇跡として。
私は心に留めておこう。

もっとも……
それは誰にも話せない。


三人だけの秘密だけどね?





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