〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第12章 俺の恋人は藍玉の天使《後編》❀豊臣秀吉❀
秀吉さんの言葉が止み……
そして、何かが右手の手のひらに置かれた感覚がして、私は目を開いた。
そのまま右手に視線を移す。
すると。
その視界に映ったものに、私は思わず目を見開いた。
「え……指輪……!?」
右手に置かれた、小さな木箱には。
蒼い石が入った銀色の指輪が鎮座していた。
びっくりしすぎて何も言えない私を見て、秀吉さんはくすっと笑うと……
指輪を台座から取って、それを見つめながら言った。
「お前に渡そうと思って、安土に居る南蛮の商人から買ったんだ。西洋では…求婚する時には、こういった指輪を贈るもんだと」
「求婚……」
「俺、これは着物と一緒に置いていたはずだったんだが……今日目が覚めたら、枕元にあったんだ。不思議だよな、どうやらこいつも時を超えたらしい」
すると、秀吉さんは私の前にひざまずき。
左手をすっと取った。
そして、そのまま薬指に指輪をはめ……
そのはめた指輪にそっと口づけた。
「……っっ!」
秀吉さんの行動に、びっくりして頭がついて行かない。
求婚って、指輪って。
恭しく、まるで王子様がお姫様にするように指輪をはめられ、言葉も出ずにいると……
秀吉さんはひざまずいたまま、優しい声色で説明しだした。
「この蒼い石は『藍玉』って言って、南蛮では三月の誕生石なんだそうだ。つまり…俺の誕生日と同じ月。俺がお前をいつでも守ってる……そんな意味を込めて、この石を選んだ」
「秀吉、さ……」
「それに、その色を見ても解る通り、海の力を持ってるらしい。だから、海で渡したなら、力が倍増するんじゃないかと思って……単純だろ?」
「……っっ」
秀吉さんは紡ぐ。
優しく優しく愛の言葉を。
夕陽が見守る中……
私のために、幸せの呪文を紡ぐ。
「ただ、これだけは本当だ。藍玉の石言葉は『幸福に満ちる』……お前の生涯、俺が幸せで満たしてやる。悲しみも苦しみも考える暇がないくらい、ずっと。だから……これからも俺の傍に居てくれないか。結婚しよう……美依。俺の嫁になってくれ」