〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第12章 俺の恋人は藍玉の天使《後編》❀豊臣秀吉❀
「もし残りたいなら、言ってくれて構わない。むしろ…お前はこの世界のが似合うんじゃないのか。俺はいつか戦で命を落とすかもしれない。お前は戦が嫌いだろう?なら…お前はここで生きるべきじゃないのか」
秀吉さんの言葉に呆然となる。
すると、だんだん頭に血が登ってきて。
唇もワナワナ震えてきて。
そのまま感情のままに口を開いた。
だって。
だって、私は────…………
「そんな事、言わないでっ……!」
私の声は、ほぼ悲鳴に近かったと思う。
秀吉さんの胸を掴み、そして。
それを揺さぶりながら、そのまま切れるような気持ちを紡いだ。
「私は秀吉さんと戦国時代で生きていくと決めたの!秀吉さんの居る場所が、私の居る場所なんだよ!」
「美依……」
「残らない、秀吉さんの傍に居るの!私は、秀吉さんを愛してるから……!」
「……っっ」
「どんなに辛い世の中でも構わない、離れる方がもっと辛い。だから、そんな事、言わないで……」
命を掛けても、この愛を貫こうと決めた。
それは、私の信念の一本槍。
────秀吉さんは、私の光だ
そのまま胸にすがり付いた私の背中を、秀吉さんは優しく撫でてくれた。
そして私の顔を起こし、零れた涙を長い指で拭う。
見たら、秀吉さんも…少し涙目になっていた。
「ごめん、美依。泣かせちまった」
「本当だよ、秀吉さんのせいだよ」
「俺はお前が泣くのは、一番嫌いだし辛い……だから、笑ってくれ」
「無理っ…」
「じゃあ、少し…目を閉じてくれるか」
秀吉さんに言われるがまま、少しふくれっ面で目を閉じる。
すると、秀吉さんが一回深呼吸したのが聞こえ。
そして、とても優しい声が聞こえてきた。
「……美依。俺はお前を愛してる。もうお前のいない人生は考えられないくらい…俺はお前に惚れてるんだ」
突然の告白に、思わず目を開けそうになるが、それをぐっと堪えていると……
そっと右手を握られ、秀吉さんはさらに言葉を紡いだ。
「この先、どんな困難があろうと俺はお前を必ず守ると約束する。だから……一生俺の傍に居てくれ。お前を、俺の生涯かけて愛すと誓う。これはそれを形にした俺の気持ちだ……受け取ってくれ」